PROGRAM♪
一部
1.TOKYO CITY LIGHTS 作詞作曲 田野ユタカ
2.チャイナ・チャイナ・チャイナ 作詞 秦美奈子 作曲 田野ユタカ
3.BLUE TIME SEANE 作詞作曲
田野ユタカ
4.冬が好き 作詞作曲 田野ユタカ
5.絵画の君に恋してる 作詞作曲 田野ユタカ
6.十二単 作詞 柳川真寿美 作曲 田野ユタカ
7.僕が君に想う事 作詞作曲 田野ユタカ
8.主のない部屋 作詞作曲 田野ユタカ
二部
1.その角を曲がれば [new] 作詞作曲 田野ユタカ
2.栂ノ尾小径 作詞作曲 田野ユタカ
3.鏡の中の東京タワー 作詞作曲 田野ユタカ
4.Highway River 作詞作曲 田野ユタカ
5.芝居仕掛 作詞作曲 田野ユタカ
6.赤い月の夜 作詞作曲 田野ユタカ
7.nude 作詞作曲 田野ユタカ
8.ブルース色の雨に濡れてる 作詞作曲 田野ユタカ
Enc.
1.背中合わせ 作詞 田野ユタカ 作曲 佐藤房夫
2.初詣 作詞作曲 田野ユタカ
3.CANVAS TOP 作詞作曲 田野ユタカ
4.主のない部屋 作詞作曲 田野ユタカ
私はもう何度、田野氏のライブに足を運んだだろう?
そう考えると、自分にもそれだけの月日が経っている事に驚かされる。
今宵のライブ案内のはがきには、冬の日のある午後・・・とある・・・
田野氏のライブは楽しいと解り切っているが、やはりどうしようもなく胸は踊る。
西荻窪へ足早に向かった。
会場は・・・満員御礼!
見た事のある顔ぶれが肩を寄せ、既に宴たけなわといったところだ。
田野氏はいつもと変わらぬ笑顔で、お客さん1人1人と握手を交わす。
握手は何気ない事のようだが、これが結構毎回心に響いて来るのだ。
大人になると、人と手をつないだり触れあう事は滅多になくなる。
だからこそこの握手は、とても貴重な行為に感じる。
やはり人は人を求める生き物なのだろう。
私は席につき、ワインとチーズを注文・・・
なんと!注文を受けにきたのは本日の主役、田野氏!
青春時代は喫茶店でウエイターをしていたのでお手の物だとか・・・
歌って踊って注文がとれるシンガーソングライター?!(笑)
ワインが運ばれてきたころ、静かにライブが始まった。
『TOKYO CITY LIGHTS』『チャイナチャイナチャイナ』
2008年の初ライブは、このおなじみの2曲で幕を開ける。
観客は一気に田野ワールドへ引き込まれた。
「TOKYO〜」で、大晦日に静かに夜を明かす東京の夜景が・・・
そして「チャイナ〜」で、新年を迎え明るく活気づく中華街が・・・目に浮かんだ。
田野氏はお客様が多方面から駆け付けて来てくれている事に感謝の意をのべ、次の曲へ…
『Blue Time Scean』でポップに進むかのように思えた空気が・・・
『冬が好き』・・・では一転し、今回のライブのタイトル通りの
「午後の日溜まり」のように和やかになった。
この曲に関しては筆者がそうであるように、
誰もが何かしらの思い出があるのではないだろうか?
今回のアンケートでも1、2位を争う人気曲だったという事だそうだ。
田野氏独特の情景的な楽曲はさらに続く。
『絵画の君に恋してる』『十ニ単』
前者は東京では初披露だという曲。
Jose氏の巧みなギターが田野氏の歌を盛り上げてゆき・・・『十ニ単』が終わる頃、
観客は2時間ほどの演劇の舞台を一本見終わったかのような充実感に浸った。
そして・・・『僕が君に想う事』
おお・・・これは・・・キタ〜〜〜!(笑)
本日のホームラン曲と言ってもいいかも・・・
案の定、女性客はみなこの曲の歌詞に心をワシ掴みされたようで、
これもまたアンケートの上位に入選!
誰もが一度は経験するであろう(?)叶わぬ切ない恋模様に、
すっかり心を撃ち抜かれてしまった。
そんな高揚した気持ちを、1ステージのラスト曲
『主のない部屋』が穏やかに沈めてくれたのだった。
休憩時間。休憩中も田野氏はテーブルを細やかにまわり、
来場者の近況を聞いたり撮影会をしたりしているので、
私は「休憩って、田野さん、全然休憩できてないじゃないか〜!」と、
少々気の毒に感じたのだった・・・しかし田野氏にとって、
来場者の元気な姿を見て回る事が何よりの休憩というか安堵というか、
ステージ作りの活力源になっているのだろう(と、勝手に解釈)。←あははぁ~♪その通り(^-^)v by田野
2ステージ開始。
『その角を曲がれば』『栂ノ尾小径』『鏡の中の東京タワー』田野氏ソロコーナー。
「その角を〜」は今回の新曲。毎回田野氏のライブでは必ず一曲新曲が披露される。
この曲の後に、田野氏は大学の級友である佐藤房夫さんの曲、「冬の日の午後」を
記憶にある部分をなぞってワンフレーズだけ口ずさみ、
新曲とライブタイトル曲との接点に触れていた。
いい曲は時代を越えて愛されるもの・・・
次に「栂ノ尾~」で、田野氏が愛する京都の情景を歌い上げ、
「鏡の〜」で東京の夜景につなげる。
すでに観客の多くは、曲の中の主人公になり聞き入っていた。
『Highway River』『芝居仕掛』
ここでのJose氏の登場で、会場の空気はがらりと変わる。
・・・と思っていたら、田野氏が珍しく(?)歌詞を誤り、曲は脱線!
気を取り直して再度演奏・・・がさらにハプニングは続き、演奏途中にJose氏が3弦を切断!
しかしこのようなハプニングこそが生ライブの醍醐味であり、
足を会場に運んでライブを見にきた人だけの特権なのかな・・・とも思う♪
客席側にいたROKU氏のフォローでライブ再開。
信頼しあう者同士ならではの、美しき連携好プレー!
ライブを成功させるのは、けして1人の力ではないのだなあ・・・
『赤い月の夜』
・・・ん?この曲を聞いたのは私は初めてかもしれない。
田野氏の曲のなかでも、「赤い月〜」は新境地に感じた。
そして『nude』を聞いて心まで素顔になり、
最後には田野氏のブルースハープの冴える『ブルース色の雨に濡れてる』でライブは一旦終了。
「ブルース色〜」に至っては、私はいつのまにかほとんど一緒に歌えるくらい
歌詞が頭に入ってしまっている。「♪生きるの〜下手〜だね〜♪」
・・・なぜかこのくだりに、実際生きるのが下手な私はいつも救われる。
そして、アンコール・・・
『背中合わせ』『初詣』『CANVAS TOP』
馴染み中の馴染み曲達!!観客のボルテージは一気に急上昇。
踊る人、手拍子する人、一緒に声をだして歌う人・・・
とにかく、「楽しい」という言葉を絵にしたらああなる、というような光景だ。
そしてもう一度『主のない部屋』を歌ってこの日のライブは幕となった。
ここには、悲しい顔をしてる人なんていない。
或いは家では悲しい思いをしている人はいるかもしれないけど、
ここではそれを忘れられているのかもしれない。
人は、音楽によって、死の渊から救われる事だって十分ありうる生き物だ。
音楽には、そういう力がある。
それにしてもオリジナル曲を、ここまで観客にとって「馴染み曲」に定着させるには、
相当の努力と時間がかかるものだ。
それもこれも、田野氏が「継続あるのみ」という信念を貫き音楽活動をしてきたことの、
確かなる輝かしい産物であろう。
本当に、毎回、勇気を与えてくれるステージである。
そして筆者も田野氏の音楽を、純粋に「いいなあ」と感じられる
素直な心であり続けたいと思いながら、帰路に着いたのだった。
by くみ
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