PROGRAM♪
一部
① 風になる (詞:七井ちひろ 曲:田野ユタカ)
② No-One in the Beach (詞曲:田野ユタカ)
③ メトロ (詞曲:田野ユタカ)
④ 5月になれば~New~ (詞曲:田野ユタカ)
⑤ だけど瞳は空を見ている (詞曲:田野ユタカ)
⑥ 十二単 (詞:柳川真寿美 曲:田野ユタカ)
⑦ ガラスのマドンナ (詞曲:田野ユタカ)
⑧ 約束 (詞曲:田野ユタカ)
二部
① Love Letter (詞曲:田野ユタカ)
② 栂ノ尾小径 (詞曲:田野ユタカ)
③ 鏡の中の東京タワー (詞曲:田野ユタカ)
④ チャイナ・チャイナ・チャイナ (詞:秦美奈子 曲:田野ユタカ)
⑤ nude (詞曲:田野ユタカ)
⑥ ジェッダの風 (詞曲:田野ユタカ)
⑦ オブラート (詞曲:田野ユタカ)
⑧ Real Road (詞曲:田野ユタカ)
Enc.
① 芝居仕掛 (詞曲:田野ユタカ)
② CANVAS TOP (詞曲:田野ユタカ)
③ 主のない部屋 (詞曲:田野ユタカ)
ちょっと曇ってはいたけれど、暑くもなく寒くもなく、
ほどよい気候…若葉繁れる五月。
4ヶ月振りの西荻窪。奇聞屋さんの階段を降りました。
震災の後、初めての田野さんLIVE。
「いろいろな被害に遭われた方、直接被害には遭わなかった人でも、ご家族・ご友人・知人が
被災地にいらっしゃる方…お一人お一人の事情を田野はちゃんと知っていますよ。」
そう、あの日から誰もが何かしらを心に抱えてるはず。
私個人も停電した夜の暗闇と寒さが忘れられず、何らかの被害があり、
毎日のように大きな余震のある地域に住む方、
特に近しい方達の境遇や心中を思っては、心の揺らぐ日々でした。
でも少しずつ自分を囲む状況や気持ちが上を向いてきて、
ようやくライブに足を運べたのがこの日…。
< 一部 >
1.「風になる」
ああ懐かしの田野さんの歌声。
でも、なんだかまだ自分の気持ちが曲に付いていかない。
もったいないと思いつつ。
2.「No-One in the Beach」
ちょっとずつ、自分の気持ちに音楽が入ってきた。ああ、この感覚…!
夜明け前。波の飛沫。ソーダ水みたいなキラメキ。
光の粒子まで見えるような、この曲…。
3.「メトロ」
私の好きな田野さんワールド全開。うまく言えないけど、ちょっとダークサイド?
でも落ち着く。やっと、この場に自分が戻って来られたかな…という安堵感。
4.「5月になれば」
HPのSong Listに見つけて、聴くのが楽しみだった新曲。
じっと聴いていると、語りかけられているようで、
なんだか田野さんからもらった手紙を読んでいるみたい。
5.「だけど瞳は空を見ている」
曲の前に、ひとくさり青春ドラマ談義。
有海さんと田野さんは同級生、という話から、おや?会場の…貴方も此方も同級生?!
6.「十二単」
ひとしきり笑いさざめいた後、また空気が変わって。
一層際立つ、有海さんの存在感。しばらく前に吹き荒れた春の嵐。
あおられざわめく新緑のうっそうとした木々。大好きなその光景と重なりました。
たたみかけるように、心までざわめく艶やかさ妖しさ。
7.「ガラスのマドンナ」
艶やかな緑色の光景への追憶は、この曲でも続きます。
8.「約束」
昨年、八ヶ岳で見た空の青さと山の緑。
そして今ここに田野さんといるのだという幸せを実感。
< 休憩時間 >
「どう、楽しめてる?」と、背後から優しく田野さんの声。
「来られて、本当によかった。」と、遠くからの友人にも。
そして更に私には「今日、ライブレポート頼めるかな?」と??
「えーと・・・。」
一部では、いろいろな思いが交錯しながら聴いていたので、
心ここにあらずのところもあったのだけど。
前回お引き受けしてから日が浅く、何か申し訳ないという気持ちもあったのだけど。
でも、「はい、田野さんのお役に立てるのであれば!」と、
お引き受けしちゃっていました(汗)。
そうとなれば早速、田野さんのお召し物をチェック。女性ファンには気になるところです。
黒のベストに白いカットソー。下は黒の細身のパンツ・・・足、細長~!
柄入りの赤いスニーカーが差し色?いえ、カットソーも白いだけじゃなく、
襟元と身頃に紫?でお洒落な切換。凝ってるー。
今宵のペンダントはゴールドのリング。長く垂らしたヘアバンドは黒ラメ?
有海さんの帽子と並ぶと、お互いに引き立てて。
その有海さんは深紅のシャツに黒い皮のパンツ。ちょっと伸びた髪にお似合い。
< 二部 >
1.「Love Letter」
そう、私もいつかはこんな風に誰かをまっすぐに好きだった。
そんな気持ちを思い出さなきゃ…。
『君が好きで好きで…』という切なすぎるリフレインを聴きながら思う。
2.「栂ノ尾小径」
十九、二十歳の頃に京都で作られたという曲。
「京都の松尾山で迷子になった時、竹が鬱蒼と茂る中、
そのざわめきに風の吹き渡る様を感じていたりして。
若いんだからもっと元気な曲を作ればいいのにね。」と笑う田野さん。
でもその若さなればこその素直さ、まっすぐさで、とてもきれいな透明感の曲でした。
「弾き語りコーナーでは話が長くなってしまうから注意しなければ。」
と言われていましたが、時間が許せば幾らでも長くお話してほしいと思うのは
私だけではないでしょう。
3.「鏡の中の東京タワー」
好きだなあ、この曲。
とても優しい気持ちにさせてくれるショートラブストーリー。
4.「チャイナ・チャイナ・チャイナ」
色彩鮮やか。中華街の香り漂うメロディに、哀愁も漂う。
「たまには静かに聴かせて~」とは思うけど、この乗りの良さには
おとなしくしてもいられない?
5.「nude」
「続いてちょっと暗い曲を。人間には喜怒哀楽がありますからね!」と、
曲が始まって、一気にモノトーンの世界へ。
有海さんの深いハーモニーに、曲は流れているのに
音の無い世界が広がっているかのよう。
6.「ジェッダの風」
いつ聴いても映画のシーンのような映像が浮かぶ。
憂いをたたえたメロディに切ない声が風に乗って。
7.「オブラート」
曲名から、危ういほど儚げなイメージを持っていたのですが、見事に裏切られました。
心が持っていかれてしまうような激しいギターの音色。
8.「Real Road」
「今日は皆さんに会えただけで満足です。」という田野さんの言葉に続いて、
最後のこの曲。『うつむくときじゃない。窓を開ければ春の風が…』
震災後、いつものように咲き誇り出す木々の花々を眺めて…人間に何が起きようと、
自然は留まることなく季節も移ろっていくものなんだなあと溜め息ついてる自分自身に、
実は軽いショックを受けました。そんなこともわからなくなる私の心、大丈夫か、と。
そんな今の気持ちに染み入る曲でした。
「Real Road」、タイトルも心強いです。
< アンコール >
「アンコール! アルコール!」 客席からの声に、
ずっとアルコールを我慢されていた田野さんが『ビール』をオーダー。
そして「では、アルコールを待つ間にアンコールを1曲」(笑)
1.「芝居仕掛け」
不思議な雰囲気の曲。タイトルから、物々しいのかなと勝手に思っていたら軽快な。
2.「CANVAS TOP」
ここでステージのお二人にビールが届き、改めて乾杯。
でもグラスをゆっくり空ける間も無く、客席の深野さんから勝手なカウント(笑)
「ほら、あれでしょ! いくよ! 1・2・3・4!」
この曲のお楽しみは、ちょっと出来上がっている(笑)雰囲気ながらも、
いつもの指捌きで魅了してくれる有海さん。
決してカメラ目線も忘れない?エンタテイメントギタリスト??
3.「主のない部屋」
今日は来る前から、この曲が聴きたくて聴きたくて。でもメニューには載ってなくて。
アンコールでやって!やって!やって!!と、ずっと田野さんに念を送っていました。
念ずれば通ず?凝り固まっていた心が、このライブで段々にほぐれ、
最終的にはトロけちゃいました。
田野さんの歌う声と有海さんのコーラスとギターとで、心ほどけるこの空間。
ライブの間、客席のみなさんがステージを静かに見つめたり、
じっと目を閉じて聞き入っている姿が、とても心に残りました。
そして終了後、穏やかな表情で席を立っていかれる姿。
この日のライブは、自分が今、出来ることを見据えて、顔を上げて歩いていくために、
とても力になりました。田野さんからは、いつも力をもらってばかりで悪いなあ。
でも、また来させてくださいね。田野さんを始め、大好きな人たちに会えて
心やすらぐこの時間、そして音楽で同じ空間を共有できるこの場所に。
by かおり
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