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2024年3月20日(水)

 田野ユタカ LIVE 2024春@阿佐ヶ谷 OilCity

“綺麗事のマジシャン♪”LIVEレポート


於:阿佐ヶ谷「OilCity」


by Kaori


 セットリスト♪

  一部

 ① Blue Time Scene      [作詞作曲:田野ユタカ]

 ② 瞳を閉じて過去を撃て    [作詞:柳川真寿美 作曲:田野ユタカ]

 ③ 鎌倉如月日向道       [作詞作曲:田野ユタカ]

 ④ Studio R/D【New】     [作詞作曲:田野ユタカ]

 ⑤ 芝居仕掛          [作詞作曲:田野ユタカ]

 ⑥ オブラート         [作詞作曲:田野ユタカ]

 ⑦ Tokyo City Lights      [作詞作曲:田野ユタカ]

  二部

 ① SAKURA          [作詞作曲:田野ユタカ]

 ② Kのバラード        [作詞作曲:佐藤房夫 補作詞作曲:田野ユタカ]

 ③ 啼けない狼         [作詞作曲:田野ユタカ]

 ④ 終曲(フィナーレ)         [作詞作曲:田野ユタカ]

 ⑤ 飛行灯           [作詞作曲:田野ユタカ]

 ⑥ ジェッダの風        [作詞作曲:田野ユタカ]

 ⑦ 綺麗事のマジシャン     [作詞作曲:田野ユタカ]

 ⑧ Real Road         [作詞作曲:田野ユタカ]

  アンコール

 ① 背中合わせ         [作詞:田野ユタカ 作曲:佐藤房夫]

 ② 主のない部屋        [作詞作曲:田野ユタカ]

 

  

 朝からよく晴れた三月二十日水曜日。
 
 今年は、春分の日。 そして、田野さんLIVEの日!
 
 しかもその上…我らが親分、深野義和さんの誕生日…!

 
 そんなおめでたい日に、家を出るころの空は黒雲優勢。低く怪しく立ち込める雲…
  でもそれは、これから心たかまる何かが始まるよと教えに来てくれてるかのように見えたのでした。


  さて無事に到着するも、ここは不案内な阿佐ヶ谷の街。いや、でもこの舗道は見覚えがある。
  歩いていくと、ふと見た窓辺にまた見覚えのあるフクロウが。
  あれは何年前の
LIVEでしたか。そのときも嵐だった記憶。そして、そのすぐ並びに、OIL CITYの文字、発見。
  ほっとして席についていると、田野さんと有海さん、おふたりともモノトーンの装いで登場。
  落ち着いた赤色に塗られたステージの壁を背に、とても映えるお姿でした。


  まず一部の「Blue Time Scene
  夜明け間近、その神秘的な空の色が目の前に浮かんできて、その明るさに包まれるよう。
  
乗ってきた電車が阿佐ヶ谷駅に近づくころ車窓から眺めた空は薄青く晴れてきていて、
  黒い雲は消え失せ、真っ白な雲が切り立つ雪山のように連なっていていました。
  それを眺めて、今日は田野さんの
LIVEだからね~なんだか空さえドラマティック…
  などなど考えていたのを思い出します。


  「瞳を閉じて過去を撃て」
  
ギターのイントロがとても素敵。 生の迫力。 
  演奏のことなど少しも分からないながら、言葉にも出来ずただ見惚れてしまう有海さんの指捌き。


  今回の新曲、「Studio R/D
  
深野さんのレインドロップスタジオ、以前のブログにもよく登場していました。
  たくさんのお仲間たちが、そこで深野さんと楽しい音時間を過ごされたのでしょう。

  『今までにラジオにもらったハガキとか作詞教室の生徒の作品とか、
  スタジオに全部取ってあるんだよ。 もう大変…!』と、
  深野さんご自身も、ライブでたびたび笑って話されていました。


  「オブラート」
  
床から直接、激しい演奏の様子が響いてくる心地良さ。 LIVEでしか味わえません。
  最近、YouTubeにもアップされましたね。 
  誰もいない夜の舗道のワンシーンが、この曲の不安感を更に不穏に煽ってくれていました。


  Tokyo City Lights
  
CDでは深野さんもコーラスに加わってらっしゃいますよね。
  深野さんの声がコーラスで聴けるなんて初めてで、一生懸命聴きとろうと頑張りました。

  この曲もきらめく夜景の中をゆらゆら。 聴きながらいつまでも漂っていたい。


  そして、二部。 
  まずは田野さんお一人での 「
SAKURA
  
はなやかで、はかなくて、ものがなしくて。 さくらさくらはらりひらひら…。
  聴いていると、こんな平仮名の感想が浮かびます。
  ワルツの拍子…ああ、それで尚更ずっと心に残ってリフレインしてしまうのですね。


  「啼けない狼」
  
前世が狼。真摯な気持ちでもっと聞いてみたいストーリー。
  田野さんはこのご友人を畏敬の念をもって護られて来られたのではないだろうか。
  丁寧に紡がれた言葉に、ふと思う。


  さて、有海さん再登場で 「飛行灯」
  
聴きながら、心は雪と夜の暗闇のモノトーンの世界を彷徨う。
  そして有海さんのギターの音に、ふと覚醒。
  ああ、また別の世界をとりとめなく彷徨ってしまっていた。 なんて幸せな感覚。
  
田野さんの曲を聴いているとついつい別の次元へと誘われ、漂ったり彷徨ったりしてしまう…。

  Real Road
  
自分が年齢を重ねるにつれ、草木の色や形の微かな変化など、
  春の芽吹きの兆候に敏感になってきているのを感じます。
  自分が失いつつあるものを求めているのでしょうか。

  田野さんのたたみかけてくるような歌声が、
  まだ失わないで、大丈夫、大丈夫だから、と語りかけてくれているよう。


  アンコールは 「背中合わせ」 から、大好きな 「主のない部屋」 へと。
  『もう夜はおしまい』のフレーズがどうしても忘れられない、この曲。
  この言葉に歌い方に、今までの二人のすべてが凝縮されて、切ない。
  切ないけど、曲の終わり方はどこか光が見えて明るい方へと向かっているようで、
  気持ちがとても穏やかになります。この曲を胸に家路につける日は、いつも以上にとても幸せ。


  今回はちょっと思い切って出掛けてきたLIVEでした。 来て良かった…。
  やはりいつも通り、そう思わせてくれる田野さんの曲と歌声でした。
  田野さんは手術を受けられてから、リハビリをほんとうに努力されていたそう。
  曲の合間にステージで、淡々と語られる姿に改めて感じ入るところがありました。


  そして深野義和さんの誕生日ということもあって、深野親分についてのお話も尽きず。
  この日おいでになっていたお客様も多くの方がそれぞれに、深野さんとの楽しい思い出をお持ちのことでしょう。
  私もその昔、深野さんにお会いできたからこその今がある一人です。


  いつかきっとまた田野さんLIVEでの深野さんのあの指定席で、あのとびきり優しい笑顔で
  「お~来たか来たか~」と深野さんが出迎えてくれるときが来ることと思います。

  …なんて、田野さんLIVEありきで勝手に思ってしまっていますが。あの幸せな瞬間がどうかまた、
  そして田野さんはもちろん誰もが無理をしないかたちで、みんなに訪れてくれたらいいな。
  ひたすら、そう願った
LIVEなのでした。

 

                                      by Kaori