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2024年11月16日(土)

田野ユタカ LIVE'24 霜月
“Studio R/D”

LIVEレポート

於:吉祥寺「曼荼羅」


by かおり


  Set List

  OA 
まつむらあきひろさん
  1.よれよれ
                作詞作曲 まつむらあきひろ
  2.ひみつ基地               作詞作曲 まつむらあきひろ
  
3.Knockin' On Heaven's Door     作詞作曲 Bob Dylan

  一部

  
1,聖夜の響き                  作詞 紺野あずさ 作曲 田野ユタカ
  
2.プラタナスの坂道
          作詞作曲 田野ユタカ
  
3.China・China・China         作詞 樹野みな 作曲 田野ユタカ
  4.瞳を閉じて過去を撃て       作詞 柳川真寿美 作曲 田野ユタカ
  5.芝居仕掛                  作詞作曲 田野ユタカ
  
6.僕が君に想う事            作詞作曲 田野ユタカ

  二部

  
1,あの歌が聞きたい             作詞作曲 田野ユタカ
  
2.啼けない狼                作詞作曲 田野ユタカ
  
3.私の道がそこにあるなら【New】   作詞作曲 田野ユタカ
  
4.月の灯かり                作詞作曲 田野ユタカ
  5.十二単                作詞 柳川真寿美 作曲 田野ユタカ
  
6.オブラート                作詞作曲 田野ユタカ
  
7.ジェッダの風               作詞作曲 田野ユタ
  
8.Studio R/D                   作詞作曲 田野ユタ


  1.だけど瞳は空を見ている         作詞作曲 田野ユタ
  2.St. Silence
                作詞作曲 田野ユタカ

 

  久しぶりに降りた吉祥寺。
  ずっと昔、深野義和さん
LIVEで「Be-point」(確か…)にはよく行きました。
  して、本日は名立たる老舗のライブハウス「曼荼羅」。 こちらは初めて。


  読んでいた音楽雑誌等にもたびたび載っていて、
  当時の地味な高校生だった私にとってはちょっと近寄りがたい聖地でもありました。
  その憧れのライブハウスに、なんと田野さんと有海さん!
  お店の貫禄と風格に引けを取らぬお二人がご登場とな!
  嬉しい初来店になった~とワクワク、
  土曜の夕刻の人混みを縫って、聖地「曼荼羅」へと到着したのでした。


  入ってみると店内はいかにも老舗の風格がありつつ、広くて思いのほか落ち着く空間。
  そしてその客席の間には、座席表を手に、自ら甲斐甲斐しくお客さまをご案内する田野さんのお姿!

  「田野の
LIVEではお客様に楽しんでいただくのが一番だから」と言われていた言葉を思い出します。
  そしてふと見ると、その手には
LPレコード? それ知ってる~♡
  深野義和さん幻のアルバム 「
Yoshikazu Fukano Special」…!
  それをステージの椅子の上に飾られ、どのような経緯からなのか説明は後ほど、とのことで。


  さてステージは、田野さんの甥ごさん、まつむらあきひろさんによるオープニングアクト。

  一、二曲目はなんだか懐かしいメロディ。 
  昭和のラジオの深夜放送から聞こえてくるかのようでした。
  三曲目には田野さんもコーラスで参加。 ラジオを点けっぱなしで寝てしまって、
  目覚めたら流れていたエンディングのような穏やかな旋律から、
  田野さんのステージへと引き継がれていきます。


  そして一部。


  「聖夜の響き」 聴いたことある…深野ファミリークリスマスライブで、ですね。懐かしい。

  星屑が降り注ぐかのような綺麗な曲。ふぅわり、心地よく田野ワールドに誘われます。


  「プラタナスの坂道」
  ここで有海さんご登場。コーラスとギターの響きが深い。
  夢の中で落ち葉舞う道を歩いているよう。とても好きな曲。


  「China
ChinaChina
  賑やかだけど、以前よりしっとりと聴こえてきます。
  このライブハウスが醸し出す雰囲気でしょうか。そして今日は有海さんのギターがより繊細に響いてくる。


  少し激しめの二曲が続き、
  一部のLastは
「僕が君に想う事」
  初めて聴いたときからこの歌詞に惹かれていてストーリーに入り込んでしまいます。
  ふと改めて聴いてみると曲もなんて綺麗。
  触れたら壊れてしまいそうなのに奥底に強さが感じられて。なんて表現したらいいんだろう。


  二部


  「あの歌が聞きたい」
  そういえば何十年前、初めて吉祥寺の街に来たのも、深野義和さん東急屋上
LIVE/ラジオ番組公開録音でした。
  田野さんが紡がれているこの歌詞をたどっていると、
  重なるように深野さんの甘い歌声が自分の中に聴こえてきます。


  さてここで、先ほどの深野義和さんレコードアルバムのご説明。
  田野さん深野さんとドラマティックなご縁のあるカメラマン大西氏が、
  これまた奇跡的な偶然で、高速道路のSAでこのアルバムと出会われたとか。
  アイドルの中古レコードの中にあったそうですが、
  このジャケット写真を見たら、やはりアイドル枠に入れちゃいますよ、ね♡


  「啼けない狼」
  ダークファンタジーを読んでいるみたい。
  田野さんは盟友の方に贈られるレクイエムのような、と言われていました。
  激しさの中に込められた、いたわりと優しさ、胸に迫ります。


  「私の道がそこにあるなら」
  この日の新曲。
  “この先も歩いていくなら道はあるはず”分かっているのに、あらためて言われないと分からない言葉。
  背中を押してくれる一曲になりそうです。
LIVEの最後に聴きたいな。

  「月の灯かり」
  儚く、壊れそう。張り詰めた空気感に背筋が伸びる思いがします。そして、この夜は満月。
  あいにくの雲が掛かっていましたが、この曼荼羅には、清らな月の光が差していました。


  「十二単」
  有海さんのコーラスが入ると、浴びるような重厚感。後奏のギターの細やかさに震えます。


  「オブラート」
  「ジェッダの風」
  激しめの曲も、今日はなぜかゆったりと聴こえます。
  やはりこの老舗の独特の空気感でしょうか。それとも有海さんのギターの包容力…。


  「Studio R/D

  今回の
LIVEメニューの裏面が歌詞カードに。
  それを読むと夢と楽器とお酒と仲間、もうこれは楽しくない訳ないのでしょう。
  田野さんが敬愛する深野親分が造り出された夢の秘密基地なんですね。


  アンコール


  「だけど瞳は空を見ている」
  それはもう思いきり気持ちよく歌い上げられた青春歌謡の一曲。


  「St.Silence」

  そして、深~く、うっとりのため息が出てしまう、このメロディ。
  ステージで歌われるお二人がきらきら輝いて見えました。
  “きみだけに きみだけに きみだけに” 
  深野さんも入って三人で歌われていたのを思い出させてくれる素敵な素敵なラストでした。



  田野さんおひとりの
LIVEも、じっくりと深く聴けて嬉しい。
  そこに有海さんが加わると、今更?ですが、本当に曲の雰囲気が変わるのですね。
  深さ、厚み、奥行き…。そして、その存在感、安心感、頼もしさ…
  田野さんも今回はいつもよりなんだか寛いでらしたように感じられて嬉しかったです。


  そしてLIVEをされていた年齢で言うと、
  目標とされていた深野義和さんをいつの間にか超えていた田野さん。
  今回の
LIVEの中でも「次も企画します」と言ってくださいましたね。

  それにしても、みな同じように歳を重ねてきました。
  深野義和さんと出会えてからも積み重ねてきた日々、自分でも振り返ると気が遠くなるくらい。
  なのでもうなんだか今となっては先のことは先のこと。
  言われていた「次」がいつになっても、もしかしてずっと予定が組めなくても大丈夫。
  いつか、いつの日にか、って待つ時間こそが、実はワクワク、一番たのしいのです、よ、ね?

  いつか、そのときには深野さんとも一緒に会えるかなって、そんなことも思いながら…( ´艸`)

                     
by かおり