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つれづれ日記
田野と京都の話−11
祇園祭 編
祇園祭り…その音楽的な響き。憧憬の念がつのります。 宵山という日に行きました。翌日に雅やかな山鉾巡行を控え、 各町で鉾と山車が一斉に道に飾られ、一般に公開されます。 京都の夏を象徴する祗園祭り。この祭りの時期は必ず暑くて蒸すのです。 7月は1ヶ月ほど、京都の四条通り界隈を中心に一連の祭事が続き、 7月16日の宵山、17日の山鉾巡行をメインに、古きよき京都の夏がつながります。 歴史や謂れも様々で、突き詰めて掘り下げてみるのも味わい深いものがあります。 一般的には宵山、山鉾巡行が有名で、鉾と山車が主役として脚光を浴びます。 人が乗って祗園囃子を奏でるスケールの大きい鉾。曳山と呼ばれる山車。 管理保管していた各町内がこれを組み立て、お披露目をする宵々山と宵山。 つれづれに、各々の歴史と伝統のいわれを訪ねて巡ります。大通りから裏通りへ、 気の向くままに角を曲がる度、道の真ん中に飾られた鉾や山車に出会えます。 「四条通の日盛りを 長刀鉾が通ります♪」 ひとり囃子という歌がありました。誰が作って誰が歌っていたかは忘れましたが、 随分と昔の曲で、印象的で好きな曲でした。その長刀鉾を訪ねます。 毎年巡行の先頭を務める、祭りの象徴的な鉾。靴を脱いで女人禁制という鉾に、 建屋の二階から渡した仮の廊下を渡ります。黒光りした鉾の角材や廊の 一つ一つから歴史が香ってくるようです。いい眺めです。少し優越感? 観光の人が下から写メールしています。Vサインをしてしまう悲しい性(?)がナサケナイ! ちまきを買います。これを家の玄関先に飾り、一年間の無病息災を祈るのです。 イノダで涼をとります。アイスカフェオレが美味。祭りの渦中のオアシスは満員です。 この日は夏の陽射しでしたが、京都にしては湿度が低く、カラッとしていました。 外に出ると風が気持ちいい。この時期の京都ではとても稀なことです。ラッキー♪ 小腹が空いて、裏通りのお蕎麦屋さんへ。小座敷に上がり、ビールを少々。 遠くに聞こえる喧騒と祇園囃子をBGMに、ビールを注ぐ音が響く程に静かです。 廻りの人の会話もヒソヒソ話し。何か好きな空気。祭りは夜を迎えます。 夕刻より、山鉾町一帯は歩行者天国となり、多くの人で賑わいます。 一部の町家などでは、屏風などの美術工芸品が飾られ、一般に開放しています。 気の向くまま、通りが掛かった数軒を覗くと、古い町屋の暮らし振りが芳ります。 山鉾には駒形提灯に灯りがともされ、”コンチキチン”と祇園囃子が奏でられます。 これは趣きがあります。目に耳に・・・鮮やかな幻想世界にワープし、迷子になった 子供のような感覚に全身が包まれます。宵山もいよいよ最高潮。浴衣姿の人々が 三々五々集まって来ます。若いカップルから熟年夫婦、地元から観光さんまで、 世代を超えた祭りの共有。さすがは京都の三大祭り。それにしても凄い人の数だ。 その迷彩風景とお囃子の音色から遠ざかり、最終の新幹線に飛び乗ります。 明日の山鉾巡行も見たいけど、でもそれはまたいつか。京都の未知の部分を 一気に紐解くのは何だかもったいないような。少しずつ、そしていつかは・・・。 やっぱり京都って・・・いいな♪ おしまい |