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つれづれ日記
田野と京都の話−12
花灯路 編
あなた 愛したこの町に 一人で降りてしまった
車窓に浮かぶ夕闇に 背中を押され
ふたり歩いた花灯路 記憶を辿る坂道
あの日と同じ花の香 仄かに薫る
「花灯路♪」より
花灯路は比較的新しい京都の風物詩。 まだ底冷えのする3月の中ごろに開催されます。 清水寺の参道から、産寧坂へ。そしてニ年坂。更にはねねの道・・・高台寺から円山公園。 更に知恩院から青蓮院にかけて、道の両脇に約2,400基もの露地行灯が飾られます。 行灯も筋により、京焼・清水焼、京銘竹、北山杉磨丸太、京石工芸、金属工芸等様々です。 たわわで華やかな生け花の展示作品や、数多くの清楚な一輪挿しの花々を 露地行灯の灯かりが仄かに浮き上がらせ、幻想的な世界を織り成す・・・それが花灯路です。 白壁や土塀、木々にゆらめく陰影、石畳を浮かび上がらせる妖しげな灯かり・・・。 門前町の店頭に彩りを添える柔らかな灯かり・・・様々な表情を見せる町並。 まだ寒い弥生三月の京都・東山界隈の宵闇を、艶やかな幻影世界へと誘います。 好きだなぁ。でもあっという間に有名になっちゃって、すごい人出です。 まぁでも人通りが少ないのも寂しいから・・・いっかぁ! 辿り方に決まりはなく、人それぞれの好みでいいのですが、 田野は清水から青蓮院へと辿る道を、躊躇いもなく本能的に選択していました。 賑やかな方から人通りの少なくなる方へ・・・「騒」から「寂」へ行く感じになります。 産寧坂、ニ年坂の趣きは賑やかながら素朴な感じ。ねねの道まで来ると 華やかさが一気に増します。「華舞台」と呼ばれる舞台では、琴の演奏、舞妓の踊りや、 六斎念仏踊りなど、連日京都ならではの多彩な催しが繰り広げられているようです。 火の用心を呼びかける子供達のお囃子の行列に出くわします。 掛け声・拍子木そして、鉦、太鼓を交え、本来は町々の路上で唄われていた童歌を、 花灯路を機に新たなお囃子に創作し、受け継いで行こうというのだそうです。 古い伝統だけでなく、新たな伝統をも京都は生み続けているのですね? 円山公園内を流れる「幽玄の川」と呼ばれる水面には、約1,000本の青竹の灯籠が浮かび、 幻想的な空間を形成します。田野は勝手に自分の曲「灯篭流し♪」を連想してしまいます。 ここから知恩院に抜けるあたりに平野屋本家があり、ここで暖を取り、腹ごしらえ&ビール♪ 黒光りする店内は歴史を感じさせます。小上がりの座敷で寛ぎ、いもぼうをご賞味。美味! 知恩院の前は人力車の溜まり場です。祇園、宮川町 先斗町、上七軒などから 艶やかな舞妓・芸妓が人力車に乗り、「京都・花灯路」をPRしながら集まっていたりして、 観光のなんちゃって舞妓でなく、本物の舞妓・芸妓に逢える事もしばしばらしい・・・。 今年、西陣や上七軒界隈でも「梅灯路」なる催しを立ち上げたようです。これも趣きを少し 異にする味わいがあるようですが、二番煎じ感は否めないかな?でもまぁ、いっか! 知恩院ではLIVEイベントも催され、一段と賑やかです。歴史と現代の融合を感じます。 ここから青蓮院にかけて人通りは一気に減り、同時に旅の終わりの寂しさに包まれます。 引き返す気はせず、暗闇でタクシーを拾い、宿か?駅か?町中か?いずこへ立ち去ります。 それが田野的な、どうという事もない花灯路です。 いずれにしてもこれらの甘美で艶やかな催しの中で、人はこれからまた様々な夢を見て、 出会いや別れのドラマを育んで行くんだろうなぁ・・・などと感じた時、何か愛しく感じて、 イノダの一角で「花灯路」という曲はスラスラと生まれて来ました。 皆さんも、一度はどうどす?花灯路♪ おこしやす、京都♪ おしまい |
この先どうして生きようか 答えを求めた二年坂
偲ぶ面影これ以上 引きずることをやめるわ
ねねの道脇道隠れ宿 求めて京都・・・
「花灯路♪」より