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田野と京都の話−7

 古都の迎春−編 

 京都の年越しは、やはり風情があります。
 年末から大晦日・元旦・三が日を京都で過ごした事が何度かありました。
 盆地の冬は底冷えです。その寒さがまた、雅な平安の都に
 一層の深い味わいを醸し出します。そんな記憶を辿ってみましょう・・・


 ☆年越し・・・

 嵯峨野の定宿「民宿わらびの里」の、納屋の屋根裏部屋での年越しはとにかく寒いので、
 ホットカーペットを車に積んで持ち込みます。これがコツ!あったけー!ぬくぬくの部屋で
 「紅白歌合戦」を見ます。コタツとビールと蜜柑!これがお約束!欠かせない。
 思いっきり凡庸にいくのが好きです!NHKの「行く年来る年」で午前零時を迎え、
 窓を開けると、冷えた空気の中で星が冴え渡って綺麗です。吐く息が真っ白に広がり、
 夜空に吸い込まれます。耳を済ますと・・・除夜の鐘が合唱しているように響きます。
 あちこちにお寺があるから、4〜5種類の鐘が、ランダムに入り混じって聞こえるんです。
 「ゴーン♪・・・カーン♪・・・キーン♪・・・キンカンゴーン♪・・・」これが面白くもあり、興味深い一面!
 お寺の多い京都ならではの風情ですね!遠く物悲しさも孕んで、逝ってしまう年を慈しみ、
 新たな年への思いに心が洗われるような侘び寂びの音色・・・いいもんですよ!



 ☆初詣・・・

 初詣は嵯峨野の野々宮さんが定番です。そこそこ人出はありますが、八坂神社や
 北野天満あたりに比べれば格段の差。独特の野々宮竹林に囲まれた暗い夜道を、
 懐中電灯を照らしながら歩きます。人がいないと淋しいし、多いと煩わしいし、
 ちょうどほどよいのが野々宮の好きなところです。本当に小さい御社ですが、
 神殿前に焚かれたかがり灯が幻想的で妖しげで、また温かで…心惹かれます。
 甘酒が振る舞われ、冷えた体を癒してくれます。帰りに、この日は深夜も開けている
 お茶処で暖を取り、なぜかお汁粉を食べます。とにかく充分温まってから宿に戻ります。
 町中にいくらでも大きくて有名な御社がある京都での初詣の、それが田野のお気に入り。
 でも・・・寒い〜!

 ☆お雑煮・・・

 京都のお正月の数ある風習の中でも、初詣の八坂神社の御松明から縄の先に火を移し、
 消えないようにその縄を回しながら帰って、それを種火にして釜に火を入れ、
 新年最初のお雑煮を炊く…というのが有名です。京都のお雑煮は白味噌仕立てで、
 お餅は丸いのが基本。煮込めば形は判らないと言うなかれ。お餅は○である。
 上にオカカがまぶしてあります。関東のすまし系は家によって微妙に個性がありますが、
 京都ではどこで戴いてもほぼ同様の味が出ます。この違いも面白い気がします。
 美味しいですよぉ〜!嵯峨野の定宿では釜戸で煮焚きし、お風呂は五右衛門風呂
 というのが味わいでしたが、京の伝統的な正月料理は随分と堪能させて頂きました。



 ☆清滝・町中・イノダ・お飾り・・・

 清滝温泉での年越しも風情があります。
 それは山深い鉱泉宿での年越しという味わいですが、京都が近いというだけで
 独特の空気です。ちらつく時雨雪がまた風流で、花びらに喩えたくなります。
 いやぁ、雅雅ぃ!

 町中のホテルでの年越しは、夜中に初詣などで出歩くには便利ですが、
 のんびりするには今一つですかね!豪華な部屋にいても、どこでいつ泊まっても
 大して差がないように思います。ホテルによっては企画モノや、やはりロケーションによって
 個性がありますから、好みでしょうね!悪くはないですが、田野的にはコタツとミカンすね!
 あいやぁ、雅雅ぃ!

 元旦の河原町界隈は、京都でもさすがに人通りも少なく、イノダの本店も
 営業は二日からです。元旦の初イノダは取り合えず三条店。でも二日はやっぱり本店へ!
 着物姿もチラホラ・・・「いいなぁ」と素直に浮世の初春風情を感じられますよ!
 正月料理に飽き始めた頃、イノダコーヒーの香りはGooです!雅雅ぃ!

 車のお飾りも関東の縦長ものと違って、横長で藁縄のものに小さなミカン(柚?)といった形で、
 結構かわいいですよ!これを12/30に車につけて年を越し、年明けの三日くらいには
 高速を飛ばして東京に帰ると、お飾りのミカンが無残にぶっ飛んでいるのもお約束!


 皆さんも一度くらい、思い切って京都での年越しを企ててはいかがですか?いいもんですよ!
 好きな人と一緒なら、なおさらですね?アドバイス、相談には乗りますよぉ(^^)/


おしまい