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田野ユタカのLIVE後記−63
田野ユタカ LIVE '12夏
−奇聞屋さんへの2ndアルバム"飛行灯"発売報告ー
“帰 郷”
於:西荻窪“奇聞屋”
2012年8月18日(土)
出演:田野ユタカ with Jose有海 音響:加藤明
【帰郷】 LIVEの本拠地を江古田から高円寺に、そして西荻窪に移して来た歴史がありますが、 奇聞屋さんはとても自分とお客様を大事にしてくれます。 我儘を極力聞き入れてくれ、田野のLIVE日には女性シェフの東さんが、 品のいい美味しい料理を振る舞ってくれます。音響に加藤さんを迎える事も 快く受けて下さり、日程のブッキングも気配りして下さいます。 吉川オーナー、山田店長、東シェフ…田野はここを根城に活動し、 2ndアルバム『飛行灯』を完成させ、発売する事が出来ました。 発売記念LIVEは、BANDでやれてキャパの大きいWelcome Backさんでやりましたが、 アルバムを出した報告と、何よりも聴いて欲しい… 今回のLIVEコンセプトは、そんな奇聞屋さんへの感謝を込めた帰郷…でした。 【エピソード】 永年のLIVEパートナーであり、盟友でもあるJose有海さんのお父様が、 去る8月13日に御逝去されました。Joseさんはお父様が危篤となられた7月下旬から 実家のある北海道白老町に駆け付け、お母様と共に最後の親子3人の日々を過ごし、 お父様を看取り、通夜と葬儀を済ませ、LIVE前日の17日未明に東京に戻り、 きっちりLIVE当日の18日には奇聞屋さんに駆け付けてくれました。 プロ…彼の意識と誇り高さを垣間見た気がしました。とにかく我々はStageにいた。 Joseさんは3週間もの間、ギターにも触れず、声も出していませんでした。 リハもなしでのブッツケ本番…新曲もない…でも我々には、重ねて続けて来た 半端じゃない月日と経験がある…伊達に永くはやっていない… 貯金で出来る程にLIVEは甘くありませんが、合体する事で絶えず何かが新しい… 親御さんの最期を看取る…今回は人が生きる上で誰もが避けては通れない道が、 たまたまLIVEの直前に起こってしまった…そんな事情が裏にはありました。 それを知るお客様も多かったのですが、LIVEでその話に触れなかったのは、 Joseさんとお父様に対する礼節と、お客様への敬意に他なりません。 終わってから公に話そう…田野はそう思っていました。 【構成】 Joseさんへの負担は少しでも軽くしたいけど、 中身はお客様にとって新鮮で聴き飽きない構成を…考えに考えました。 〜 一部 〜 オープニングから5曲のソロで入ってみました… 思い入れのある「夢吟」からの導入にしました。 そして「久々野の子守唄」を。この日は浴衣姿も艶やかだったRさんが、 アンケートに書き続けてくれたリクエストにお応えしました。 3曲目には「避暑地の恋」でやや秋の気配も漂わせます。 そしてコンセプト曲の「帰郷」…10代の頃に佐藤房夫さんと作った、未だに好きな代表曲。 ソロのラストには、夏の終わりのバラード曲「夏色のドレスで」をセレクトしました。 さぁここからJoseさんがジョインします。まずは「チャイナ・チャイナ・チャイナ」で小手調べ♪ オカリナ曲「郡上恋唄」…この日は唯一となった2ndアルバムの収録曲からの選定でした。 1部のラストには、「ブルース色の雨に濡れてる」でシャウト… ここで一度擦れるまで声を出し切ります。いい流れだったような…如何でしたか? 〜 二部 〜 二部は思い切り夏らしく、「まぶたに夏を焼きつけて」でスタートします。 少々お喋りを挟み、「思い出が重たすぎて」をお届け…う〜ん、夏のLIVEだなぁ〜。 1stアルバムから「Dear Mermaid」を選曲。少し空気を落ち着かせ、 ここらでアーバンテイストをと、「METRO」を配します。 抑揚ジェットコースターを意識し、夏の抒情歌…人気曲「花火」を続けてセレクト。 佳境への導入は「オブラート」で…そして「ジェッダの風」でヒートアップします。 今年の夏のLIVEも、ラストバラードにはやはりこの曲「君がいた海」を選びました。 如何でしたでしょうか? 【アンコール】 今回は5月、7月と続いたアルバム発売LIVEが、当然収録曲中心の選曲になったことから、 今回は意識的に収録曲を選ばなかったという構成になりました。その分、アンコールは… まず「芝居仕掛」。そして「1009」と、アルバム収録曲をセレクト。 更なる拍手と、Joseコールにお応えして、やはりこの曲「CANVAS TOP」をお届けしました。 燃え尽きた〜! Joseさんの笑顔…ちょっと疲れた横顔…隣にいたからこそ感じた少しの淋しさ… 最後にもう1曲、務めあげてくれたステージへの安堵に身を委ねるJoseさんの横で、 一人で「鏡の中の東京タワー」を歌わせて頂き、この夜をお終いにしました。 【アンケート】 今回の曲達も幅広くご支持戴けたようで、本当に票が散りました。 一番ご支持頂いたのは、僅差でしたが「花火」でした。自分でも好きな曲…嬉しいです。 次いでが全く同票で、「久々野の子守唄」「夏色のドレスで」「ブルース色の雨に濡れてる」、 アンコールで歌った「鏡の中の東京タワー」といった曲達でした。 ソロ曲も健闘してくれていますね。 でもいずれの曲も誰かの心に届いてくれたという傾向が、今回も嬉しかったです。 其々の感性で聴いて欲しいから、好きな曲を軸に、そこまでの… 或いはそこからのプロセスをストーリーに見立ててLIVEを楽しんで欲しいんです。 毎回書いて下さる皆様、本当に参考になります。感謝♪ 【お客様】 10月にコラボ公演が決まっている、劇団「梗の会」の総裁&看板女優の松下京子さん参上! 7月の八ヶ岳LIVEで初めましてだったK関さんは南アルプスの裾野の白州から参戦! 夏の田野LIVEではもはや風物詩となってくれている、艶やかな浴衣姿はNさん、Rさん♪ ひさ〜しぶりに、忘れず来てくれたのが嬉しいマチさんは、今回のLIVEレポートも依頼♪ お盆休みの最中で出掛けている人も多い中で、奇聞屋さんを程良く埋めて下さった皆様♪ 来れずとも遠く近くで応援して下さった皆様も…本当にありがとうございました♪ 【所感】 多分…Joseさんのお父様は、音楽を奏でるJoseさんを見てくれていたと思えてなりません。 我々がLIVEの前にどんな準備をするか、人にも依りますが、それはお客様には見せない部分。 お客様はその日その場所に時間を作って足を運ぶという、それだけでも大変な労力です。 我々はそれに応えて余りある+αを提供して、初めてお客様は「また来よう」と思って下さる。 その刹那が痛いほどに浸みている分、お客様には極力何気なくサラッといいLIVEをご提供したい。 お客様もそれを承知で楽しんで下さる。でも肋骨を折った時や、今回のJoseさんの状況にも、 本当に温かく優しい。大人の優しさ…強い優しさ… お客様から、そしてJoseさんから、田野はまた大きな感動をプレゼントしてもらいました♪ 今回はそんなLIVE…皆さん!本当にありがとうございました 田野ユタカ |