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田野ユタカのLIVE後記−68

田野ユタカ LIVE '2013秋

“つれづれ独り語り2013”
於:巣鴨“手風琴”
2011年11月3日(日)

出演:田野ユタカ ゲスト:岩切“ROKU”修一郎



 【秋の巣鴨LIVE】

 9/7。田野は永く通った地元の眼科医から紹介され、中野坂上の高層オフィスビルにある
 とあるクリニックで診察を受けていました。
 永く煩わされた左目の不調で、首から肩、肩甲骨、背中、腰(全部じゃねえか!)が、
 バリバリに張ってどうにもなりません。診察後はあっけなく11/12に手術することになり、
 土曜日の閑散とした高層ビルのエントランスに出て、目の前の珈琲店に入り、
 そこで手術日までの自分のスケジュールを確認し、ふと考えました。

 秋…去年は演劇とのコラボLIVE、一昨年は深野一座の京都ツアー、その前は八ヶ岳LIVE…
 我々の世代で仕事をしていれば立場も責任も重く、時間的余裕はない…のが当たり前だ。
 でも今年の秋は幸い(?)音楽系の催しが何もない。仕事も前後が厳しいけど休めなくもない。
 手術するなら確かに今だ…だけどこれでいいのかいな?そんな間があるならLIVEじゃないんか?

 秋の歌達を随分歌っていないな。時々LIVEに来てくれる手風琴のマスターに
 「田野さん、またうちでもLIVEやって下さいネ」と言って頂いているのにご無沙汰だ。
 九州ツアーの帰路に悪夢の事故で瀕死の重傷を負ったROKUさんとはBandでの共演は果たしたが、
 ユニットでの完全復活の場を求めていたのに、これという動きは取れずにいた。

 あえて忙しさに墓穴を掘るような選択をしてでも歌い続けて来たから、田野だったのでは?
 この隙間に突然LIVEを組んだらお客様は来てくれるんだろうか?
 でもこの時期にフルLIVEを組めるだけのリハーサルや曲作りが出来るんだろうか?

 これまでこの目で見聞きし、感じた事を歌って来た…この目で…だ。
 手術では曇ってしまった眼内レンズを人工のものに取り換える。
 よく見えるようにはなるんだろうが…古いレンズに少し無理をしてもらって、
 最後のお勤めをさせてやろうかな。葛藤の末、田野は手風琴に連絡を取り、
 日程の快諾を得ると、スケジュールが読めなかったROKUさんにも連絡を取った。
 自分の首絞めてるかなぁ…いや、やりたくて仕方なかった事を淡々とやってるだけだわな♪

 今回のLIVEはそんな経緯の果てに組みました。コンセプトは「つれづれに秋…」だね(^_-)-☆


 【構成】

 ROKUさんには来てもらうけど、リハも十分出来そうもないし、ここは弾き語り中心の構成で。
 秋の歌達は親鳥に餌をもらう雛達のように、譜面をめくる度に精一杯のアピールをしてくる。
 う〜ん・・・(-_-;)

  〜 一部 〜
 一部はオールソロ。悩んだ末にオープニングは「あの頃の恋♪」で導入。
 続いて「木漏れ日の坂道♪」を久々に。一気に秋の空気になるかなぁ。
 続いて「帰郷♪」、そして「いえすたでい♪」という流れ。
 この秋の新曲「柳津・秋♪」をここで挟んで、久しぶりの「天城中伊豆誘い旅♪」へ。
 更には「避暑地の恋♪」をしっとりと。久しぶりの「モノクローム♪」で少しシャウト。
 一部のラストには「プラタナスの坂道♪」を選んでちょっと休憩です。

 少し多めに歌ったのに、入り切らなかったあの曲、この曲…う、う、すまねえ(涙)

 〜 二部 〜
 二部はプログラムには入っていない加藤登紀子さんの「別れの数え歌♪」を思いつきで歌唱。
 次いで「Love Letter♪」と、ここまでがソロでのステージでした。

 ここでゲストのROKU岩切さんと合体!
 あの福岡LIVE以来、5年ぶりのアコースティックユニットの本格復活だ!
 記念すべき第一曲は「Tokyo City Lights♪」で導入。
 次いで「僕が君に想う事♪」をお届け。ブランク感も違和感も全くない。
 ここで真骨頂の「ガラスのマドンナ♪」。
 アルバム挿入されているこの曲の、何といってもアレンジャーがROKUさんなんです!
 続いては「十二単♪」を。佳境の深淵に誘ってゆきます。
 終盤のシャウト系にも久しぶりの「美学♪」、そして「瞳を閉じて過去を撃て♪」と紡ぎます。
 迷いに迷ったラストには、最もノーマルに「主のない部屋♪」をセレクトしました。
 如何でしたか?


 【アンコール】

  アンコール…まずは「背中合わせ♪」を♪
  次いで「Canvas Top♪」…出た!完全復活なったROKUさんの客席徘徊パフォーマンス♪
  ラストのラストは再びソロで、「鏡の中の東京タワー♪」を歌い語って、夜をおしまいに…。
  出来不出来はともかく、自分には達成感がありました。よかった…


 【新曲】

 「柳津・秋♪」
 「秋の駅」…山田太一さん脚本で、元キャンディーズのスーちゃんこと故田中好子さんが
 女優として頭角を表した頃に主演したドラマでした。音楽は憂歌団ときた♪
 福島県西会津地方の只見川流域にある会津柳津という風光明媚で歴史に彩られた町が舞台。
 布施博や益岡徹らが絡んで、山間の小さな駅での24時間を、
 柳津地方の美しい秋の風景や名所旧跡を絡めて描く心温まるドラマでした。

 その舞台となった会津柳津をいつかは訪ねてみたいという潜在的な思いを抱いていたが、
 月日は瞬く間に過ぎて行ったのです。ところが今年の9月下旬のとある日、
 仕事での移動で新潟から栃木を旅していた磐越自動車道の標識に「柳津」の文字を見つけ、
 思わず寄り道してしまった。感性をONにしていれば、こんな出会いもまだまだあるネ♪
 その旅をまんま曲にしたのがこの新曲。
 秋の風情を確かめたくて、10月下旬にもう一度紅葉の柳津に立ち寄った。
 全くノーマルなアコースティックフォーク路線?どうだったでしょうか?


 【エピソード】

 ☆田野ユタカ LIVE Lady's Day?
  んなわきゃない。が、女性率が高くて田野はご満悦?
  でも濃い〜〜〜男性陣もいてくれてこそのLIVEだよね、やっぱり(笑)
  今回は箱も小さいので、PRはいつものようにDMは出さず、
  HPやFaceでの告知と常連さんへのメールでのお知らせに留めました。
  それでも満員になってくれた客席に感謝ですm(_ _)m

 ☆ROKUさんとのユニット
  今回のROKUさん大移動 山梨・都留〜世田谷〜阿佐ヶ谷〜巣鴨へ!
  ROKUさんも本当に色々あった。だが田野が音楽を続けて来られた事実において、
  ROKUさんの影響、存在も間違いなく大きかったのだ。
  田野のいいも悪いも全て判っている。歯に衣着せずにモノを言うのがROKUさん(笑)。
  田野は応酬するからいいが、時にはそれが周囲との軋轢になる事もある。
  事情でROKUさんと初めて共演したステージに、今は一緒に立つ事は出来ない。
  だが我々が求めれば一緒にやれる環境を手に入れる程度の力はお互いに充分持っている。

  そして5年前の九州LIVEツアー後の悪夢。怪我を克服した彼は、
  まず田野の京都LIVEツアーに顔を出してくれ、ファンに回復を報告してくれた。
  製作中だった2ndアルバムにもアレンジで一曲参加してもらった。
  去年の5月、その発売記念LIVEではBandスタイルだったが遂に再共演を果たした。
  今年4月の中村友美ちゃんのディナーLIVEでは、音響の助っ人としても、
  また田野のゲストステージのサポートとしても活躍してくれた。
  そして今回がアコースティックユニットとしての復活を遂げるステージとなった。
  続ける事、続けられたことに、今回は大きな意味合いがあったんだ。
  共演復活、嬉しかった。そしてこれは再びの始まりであり、継続と進化が伴ってこそ、
  心配し応援してくれたお客様に応える事になると、田野は(多分ROKUさんも)思っている。


 【お客様】

 ぶっちゃけ、ハグ様が来て下さるとは思っていませんでした。
 以前LIVEハウスではないお店で田野がLIVEをする事に少々違和感を感じた事があるようで、
 事実手風琴でのLIVEでは、お店の常連のお客様がただフラッと飲みに寄って、
 たまたま田野のLIVEだったという事があり、酔っての合の手が煩くて窘めた事があった。
 そういう所で歌う田野を見たくないとハグ様は言ってくれた。愛情の裏返しなのだ。
 でもアーティストがお客を引き込み、ファンがお客様を浄化し、淘汰する。
 とにかくマスターが音楽好きだから、集うお客も基本は皆音楽好きなのである。
 ただ酔客だった彼らはLIVE慣れしていないから、「いい」と思った感情を
 どう表現していいかが判らなかっただけなんだ。

 だが、猫、及川恒平さん、鎌倉研さん、瀬戸口修さん、四角佳子さんといったメジャーが、
 好んで集いLIVEをしている手風琴は、その辺のスナックで歌うのとは田野の中では違う。
 特に瀬戸口さんはハグ様の仲間であり、一緒に行った瀬戸口さんの渋谷LIVEの打ち上げで、
 田野はJose有海氏とも出会っている。

 数年前、マスター主催の手風琴常連メジャーが一堂に会したコンサートが、
 文京シビックホールで催された。そのパンフのメンツを見た時、
 ハグ様が「う〜ん、これは見直した」と唸っていた事があった。嬉しかった…
 が、お知らせはしたものの来てくれるとは期待してはいけないように感じていた。
 それだけにご登場はサプライズでした。遅れて来たので座れる席が…あ!
 田野の真正面しか席がない(驚)。互いに照れ臭い、初めてのお見合い状態LIVE(笑)
 でもありがとうございました♪嬉しい嬉しい嬉しい♪


 【アンケート】

 今回は「ガラスのマドンナ」が一番届いてくれた曲みたいでした♪
 次いで「帰郷」「Tokyo City Lights」「避暑地の恋」「僕が君に想う事」
 新曲の「柳津・秋」「木漏れ日の坂道」「プラタナスの坂道」といった曲たち。
 そしてアンコールラストの「鏡の中の東京タワー」が結構響いてくれたようです。
 いつも真剣に書いて下さる皆様、本当にありがとうございます。


 【所感】

 やって良かった。
 少し無理すれば出来るのだったら、少し無理すればいいだけの話。
 怖いのは立場上突発の冠婚葬祭や出張、緊急会議等で、
 土日も関係なく召集され、LIVEを組んだ時にそれが重なる事だ。
 いつかそんな時が来るんじゃないかという恐怖に随分と苛まれて来た。

 でもここまで穴を空けずに来れたのも事実。
 恐れていては何も出来ないし、何も始まらないし、それは田野じゃない♪
 手術を終え、何処まで視力が回復するかは未知数ながら、今ようやくこれを書いてます。
 特に目を安静にしてなくちゃいけないのに、
 また歌いたくて、また皆さんにお会いしたくて(^-^ゞ
 ありがとうございました(^-^)v


                                 田野ユタカ