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田野ユタカのLIVE後記−70

田野ユタカ LIVE '14 初夏
“確かな痕跡♪”


2014年5月4日(日)

於:西荻窪“奇聞屋”

出演:田野ユタカ with Jose有海
音響:加藤明



  【LIVEコンセプト】

  確かな痕跡・・・。
  現実や日常の中で忘れていないか。
  この恋があったから何でも出来る…。この愛になら命をも惜しまない…
  こんな素晴らしい経験をしたから、この先の辛い事にも堪えて生きていける…。

  そんな思いをも容赦なく、無機質で渇いた日常が殺伐とした肌触りで飲み込んで行く…
  流されまいとしても…迎合しないと息が苦しくて立っていられない事もあるかもしれない…
  目標は定めているが、もがくほどに遠ざかったり、近づいたり…近くに手頃な岩礁があれば、
  そこにしがみ付いてしまうのもいたしかたない。恥ずべき事ではない。
  やってみたという新たなる確かな痕跡こそが尊く、ささやかでも次の道を笑顔で歩いて行けば良い。
  だが…言い訳する輩がいる。貧しい価値観に居場所を得てしがみ付いた有象無象が意外と多い。

  成功者と呼べるのはほんの一握り。器も備わった彼らに自己主張は要らない。周囲が認めるからだ。
  でも言い訳をする有象無象の一群は、気味悪い笑顔で成功者と同じ立ち位置を主張をしてくる。
  薄っぺらい上から目線にはいつも怯えが潜み、その怯えの打ち消しと排除に躍起になる日々。
  卑怯の言い訳をいつも理論武装し、備えて暮らすココロ貧しい小金持ちの臆病者…
  そう、自分を成功者と主張して止まない者たち…反吐が出る。

  でも、じゃあおのれはどうか?人様の事が言えるのか?
  LIVEに来てくれるお客様は?お一人お一人を思ってみる。

  そして敢えて言い切って見せるべきいう確信が全身を貫く。自分は成功者でも何でもないが、
  それでも尊く慈しむべき確かな痕跡…が、しっかりある凡庸人だという事。
  自慢にはならないが、恥ずべきでもない。
  ただその確かな痕跡達を音楽にし、奏でる事が出来る。そうやって発信した音楽が、
  やはり日々を乗り越えてLIVEに辿り着いてくれたお客様の、そのお一人お一人の心象風景の中で、
  確かな痕跡として連鎖していく♪だから音楽を、LIVEを愛して止まない…
  「確かな痕跡」を空間共有する神聖な領域…それが今回のLIVEコンセプト。 長っ 汗


  【構成】

  年に一回、この季節のLIVEで歌う曲たち中心に、
  新曲やカバー、懐かしソングも交えたメリハリ構成でコンセプト曲に紡ぐ構成。

   〜 一部 〜
  久しぶりの「Highway River」から導入し、「no-one in the beach♪」へ。
  リズミカルな陰と陽でLIVEスタート…旅の始まりです
  「チャイナ・チャイナ・チャイナ」で横浜チャイナをそぞろ歩きし、
  「風になる♪」で5月の草原へ、ちょっと遠出して風を感じに…。
  「ガラスのマドンナ♪」でややブルーな淫靡の雨の夜を経て、
  「京都つれづれ♪」で雅の都へ。出会った頃のような感覚に戻って旅を行く。
  「星のゴンドラ♪」で互いを思い合うが故のすれ違いを星になぞらえて慈しみ、
  一部のラストには「約束♪」をセレクト。失ったモノの確かな痕跡を忘れない…

  〜 二部 〜

  二部はソロで、紺野あずささんの詞作提供曲「高知城(おしろ)の桜♪」を久しぶりに。
  2曲目は岡林信康さんの初期の思い切りメッセージを込めた代表曲「手紙♪」をカバー。
  歌っていて泣きそうな程に切ない 確かな痕跡…
  3曲目に「久々野の子守唄♪」をご披露。ここで…少しホッとする流れ。

  Jose有海さん再合体後は、「ブルース色の雨に濡れてる♪」を思い切りシャウト。
  ここで久しぶりのマイナーバラードの新曲「ち・が・う♪」をご披露。
  終盤は「芝居仕掛♪」でヒートアップ&たたみ掛けての流れに乗って、
  LIVEコンセプト曲「確かな痕跡♪」へ。逢いたい…逢いたい…真っ直ぐな気持ちが溢れる。
  ラストバラードにはやはりこの時期は「Real Road♪」で少し元気になって前を向く。
  そんな旅がここで終わります。


  〜アンコール〜

  「Fan♪」をアンコールに持って行きました。
  続けて「オブラート♪」もアンコールでのご披露。
  最後の最後に、ソロで「鏡の中の東京タワー♪」で、今宵はおやすみなさい。


 【新曲】

  「ち・が・う♪」
  シンプルなマイナーバラード。田野の曲作りの、ある意味原点のように思います。

  求めたのは地位や名誉や豊かなステータスではなく、
  貴方の夢とその夢に対する貴方のひた向きさだったのに…
  形が変わった事は仕方ないのに、何故初めからそれが夢だったかのように言い訳するの?
  ち・が・う…。誰もが成功者としての今の貴方になら寄り添ってくれる。
  だからそばにいるのは私でなくても…私でない方が…きっといい

  全体の物語を紡ぐ構成上でも、こんな曲をやはり歌いたい。
  良くも悪くもマイナー曲を敢えて配す方が田野的かな(笑)。
  ご好評を戴けたようで良かったです。曲作りってホント難しい(汗)
  タイトル付けって、これまた難しい。でも生まれくる曲って本当に愛おしいです♪


  【お客様席】

  GWにも関わらずの満員御礼、ありがとうございました(^-^)/

  ◆小川尚子さん
  田野が奇聞屋さんに出演するようになって久しいが、
  そのきっかけを作ってくれたのが先輩シンガー&ソングライターの小川尚子さん!
  三重県桑名市ご出身の尚子さんとは、巣鴨の手風琴での彼女のLIVEで知り合った。
  その尚子さんがマンスリーでレギュラー出演していたのが奇聞屋さん。
  「杉並に住んでるのなら、よかったら遊びに来ませんか」とのお誘いで
  奇聞屋さんと知り合う事になり、長く出演させて頂く事になりました。
  彼女のステージは手風琴や奇聞屋の他、文京シビックホール等で拝見していたが、
  一献傾けた事はあったのに、よく考えたら自分のLIVEを聴いてもらうのはこの日が初めて♪

  ちょっと緊張したかな…そうでもないか(笑)

  ◆深野義和さん
  師匠で兄貴、田野のプロデューサーであり近所の親戚?的なご存じ深野義和さん。
  欠かさずLIVEを応援しに来て下さいますが、前日にかなりの体調不良と伺っていました。
  でもこの日も駆けつけてくれ、アルコール抜きで最後まで見届け、打ち上げをパスしてご帰宅。
  涙が出るほどありがたく、そして切ない。
  だからこの日は皆さんも三々五々…奇聞屋さんで居残さん達との細やかな打上げで乾杯。
  お身体大事にして下さいよね〜(^-^)/


  【エピソード】

  ◆New Guitar登場
  この日は消費税増税前に駆け込みで買った(笑)新しいギターをお披露目♪
  「Crews」というエレキ系メーカーが手掛けたエレアコ ESモデルですが、
  まぁ一目見てインスピレーションがビビビ…恋愛のようなものです(笑)。
  シルエット、色、弾き易さ、抱えた時のフィット感…そして音色♪
  問題ないと思います。今後はこのギターで歌い、曲を作って行きますので、
  どうかお見知りおきをお願い致しますねm(__)m

  ◆PAは師範様
  何と音響の加藤さんが日本酒指導師範の認定を受け、この日は御師範様に
  卓で音を作って頂きました(笑)。
  LIVE中に有海さんの「飛騨高山の銘酒といえば?」という突然の振りに…(+_+;
  指導師範というのは銘柄博士とは違うんですよねぇ、加藤さん(^-^)/


  【アンケート】

  今回も多くの曲に票が入ってくれましたが、
  明確に抜きん出ていたのは新曲の「ち・が・う♪」…でした。
  次いで「芝居仕掛♪」。僅差で「星のゴンドラ♪」「確かな痕跡♪」といった布陣でした。
  色々な意味で印象が強かったと書いて頂いたのが岡林信康さんの「手紙♪」
  意外と知っている方が多かったですね。
  田野的にはガキの頃に聞いた物悲しく切なくも美しいメロディーと歌詞が残っており、
  後になって意味や背景を知るに至っています。
  涙して聴いて下さったお客様もいらっしゃいました。
  そう、決して遠い昔の話ではないのです。

  アンケートご記入…いつも本当に本当に、ありがとうございました♪


  【所感】

  沢山のお客様に入って頂きました。初めての方もいらっしゃいましたが、
  2〜3年振りの2度目、3度目という方も結構いらっしゃり、嬉しかった。
  誰もがいつでも来れる訳ではない中で、やりくりをして足を運んで下さるLIVE。
  その貴重な時間に確かな痕跡を残す為なら、田野はまた頑張れるし、曲も作れる。。
 
  万難を排して田野はまたステージにきっと立ちます。
  今回事情で来れなかった方も、きっと次回にお会いしましょう!
  音楽でまた再会しましょう!ありがとうございました♪


                     田野ユタカ