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田野ユタカのLIVE後記−89


田野ユタカ LIVE '22 春

“音楽を取り戻せ”


於:大塚“welcomeback”
2022年3月26日(土)

出演:田野ユタカ  
Guest:Azry



 【軌道修正】
 2022年3月26日。
 昨年12月にLIVE復帰を果たしたものの、再びコロナの第六波に見舞われた。
 これまでとは桁違いの感染者数に、予定していた新Albumの発売を延期し、
 出演者の人数も絞って感染対策を万全にし、普段のLIVEとしてプログラムを大幅に軌道修正した。
 広い店なので久し振りの方も集客したいが、大々的にPRするのは躊躇われる情勢だった。
 直前の21日に蔓延防止法は解除されたが、そこからPRしても始まらないと腹を括った。

 ゲストのAzryは二年半前のLIVEのGuestを台風に阻まれて無念の欠席。
 マンボウが明けたので、急遽出演してもらう事になった。
 かようなご時勢ではまだまだLIVEに足を運ぶ事を気軽に考えられない方が多いのは仕方ない。
 だからそれでもお越し戴けた方々には、広々と密にならない空間で広々ゆったりのびのびと、
 最高のパフォーマンスで音楽を取り戻して戴く。それがこのLIVEのCONCEPTになった。


 【プログラム】
 凡そ3年ぶりのJose有海さんをギター&コーラスで迎え、奇聞屋さんの頃のLIVEをイメージしたが、
 Welcomebackさんはかつて年末恒例の深野FamilyでのXmas LIVEや、
 レコ発LIVEは二回、Bandでやらせてもらっていて、何れも大盛況であった為、
 お客様が少ないなりに目玉の企画が欲しかった。
 そこへAzryから連絡を戴き、彼女らの柏でのLIVE時にGuestで出演した田野のオリジナル2曲を
 ピアノと二胡でサポートしてくれた曲を、今度は田野のお客様の前で披露したい旨を申し入れてくれた。
 ピアノと二胡で田野の曲を聴いて戴ける・・・これ以上の目玉はなかった。
 ご縁とは不思議なもので、大事にしていれば必ず返って来るものだ。有難かった。

 レコ発LIVEは同じWelcomebackで5月3日に延期していた。プログラムは被らせないのが田野流(笑)
 3月は本来卒業シーズンで、新しい季節や年度を運んでくる春と冬が入れ替わる時期。
 構成する曲は幾らでもある。これに、更に5月とは被らない新曲を織り交ぜる。
 構成を考えるのは久し振りで、懐かしくも楽しい作業だ♪音楽を取り戻そう!


 【LIVE 一部】
 一部の頭はソロで。
 「月の灯かり」でスタート。
 ここ1年はレコーディングを重ねて来たので、声の出来は悪くない。
 次いでカバー曲
 「死んだ男の残したものは」を。
 ベトナム戦争時の反戦歌だ。森山良子さんが歌っていたのを印象深く覚えていたが、
 高石ともやさんをはじめ多くの方がこの歌を歌っていた。
 そう、ロシアのウクライナ侵攻への抗議の意図だ。武力行使は愚の骨頂だ!

 もう1曲
 「だから海に来た」を披露。21才のこの季節に、千葉の鵜原海岸で作った曲だ。

 深呼吸をして、Jose有海さんに入ってもらう。ブランクは長いが、それ以上に積み上げて来た。
 「Tokyo City Lights」 懐かしくも沁みている曲ですね。
 「鎌倉如月日向道」 新曲で~す。
 「飛行灯」 この季節、外せません。
 「十二単」 有海ギター&コーラスが入るとまた違った曲のように妖艶に。
 「主のない部屋」 涙が出そうだ(笑)。で、ちょと休憩。


 【LIVE 二部】
 二部の頭でAzry登場。告知にもDMにも謳っていなかったサプライズGuest。
 ピアノはともかく二胡という楽器を生で聴ける機会はそうはないですよね。
 ピッチの外れた(笑)二胡ならともかくしっかりした二胡なら尚更です。
 謎のアラビック女性二人組?ドバイの事務所に内緒の出演?導入トークで一頻り盛り上がり。
 「SAKURA」
 この時期やはり外せない代表曲。軽快で力強いピアノで入り、アルバム収録のアレンジを
 二胡が見事にハーモニー。気持ちいい♪
 「君がいた海」
 切ないピアノの音色に二胡が被ってくると、もう曲が新しい領域を流離い始めます。いいなぁ。
 「いのちの歌」
 田野がはけて、Azryのお二人での演奏time。
 竹内まりやさんがMiyabiのペンネームで作詞したいのちの尊さが染み入る歌。
 彼女達なりのウクライナ侵攻への抗議と、平和を願う思いが込められていました。Azryありがとう。

 Guestコーナーが終わり、再びJose有海さんに入ってもらってLIVEは終盤戦の佳境へ。
 「星のゴンドラ」 やはり久し振りだ。
 「だけど瞳は空を見ている」 もっと久し振りだ。
 「オブラート」 来た〜!Joseギターが泣いている〜♪
 「綺麗事のマジシャン」 ん〜、やっぱりこの時期欠かせない曲!
 そしてLastバラードはこの季節・・・
 「Real Road」 歌い込むほど好きになる曲。

 アンコールありがとう!
 「芝居仕掛」 歌いたかった〜!
 「背中合わせ」 佐藤房夫さんと三男の圭君、その可愛いお嫁ちゃんの千佳ちゃんに届け〜!
 以上でLIVEは無事に終演致しました〜(^-^)/


 【No More War】

 「死んだ男の残したものは」を歌ったのは初めてだ。まさか自分が歌うとは・・・
 無差別テロもそうだが、一般市民や女性や子供を巻き込むのは許せない。
 なぜ歴史に学べない?愚の骨頂だ。終わった後に戦勝国も敗戦国も何か得られるのか?否だ!
 憎しみと悲しみの連鎖と増幅しかもたらさない。考えを改める人など出て来る筈がない。
 対話で捻じ伏せられないから武力か?愚かだ。自分に器がないだけの話だ。
 それを隠すために犠牲になるのはいつだって一般市民だ。市民を盾にメンツを保った積もりか?
 西側首脳も戴けない。マスコミにカッコつけてもっともらしい事を言っているが、
 歴史と経緯を辿れば狡猾で卑怯だ。どっちもどっちだろう。
 冷戦の終結を活かせなかった愚かなリーダー達。
 頼むから今からでも停戦の上、何故こうなったのか?どうすればよかったのか?を話して下さい。
 そこに戻れないのなら、ここから、今足元から始めて下さい。
 「死んだ男の残したものは」 こんな哀しい歌を作らせるな!歌わせるな!No More War!


 【新曲】
  「鎌倉如月日向道」・・・京都風の詞とメロディーを想像された方も多いのでは?
  真冬の鎌倉散歩が意外と楽しかった若い二人の事を、POPな曲調でまとめてみました
  でも歌詞は緻密に作ってあるので、歌の通りに辿ってみれば様々な聖地巡礼が出来ちゃう曲♪

  もちろん実際に足を運んで曲にする田野流の手法で生まれた曲です。また歌いますからね(^_-)


 【所感】
  このご時勢下、お越し戴いたお客様には本当に感謝申し上げます。
  この日、あそこに集った皆さんはホント楽しそうで、
  好きな音楽をちょっとでも取り戻せて戴けたのはないでしょうか?
  少なくとも田野はそうです。
  
  直前に入院されてしまった方、体調不良でご時勢柄お越しになるのを控えた方、
  昼間の時間帯のLIVEだったから来れなかった方、
  ギリギリまで仕事を調整しながらも泣く泣く断念された方・・・
  まだ外出が不安でお足が向かなかった方々。
  ご連絡、応援をありがとうございました。

  5月3日に新Albumを携えて、同じWelcomebackさんでレコ発LIVEをやります。
  その先の事は判らないし、考えてもいません。
  今は5月3日の東京、5月7日の八ヶ岳があります。そこを拠り所にお互いに頑張りましょう。
  LIVEは一期一会。きっとまた「音楽のチカラ」で再会しましょうね(^-^)/


                                 田野ユタカ