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田野ユタカのLIVE後記-97

田野ユタカ LIVE '24 春
“綺麗事のマジシャン♪”


2024年3月20日(水)

於:阿佐ヶ谷“OilCity”

出演:田野ユタカ with Jose有海



  【with Jose有海】

  体調の浮き沈みがジェットコースターのように変わるのは年齢のせいもあるのだろう。
  大病の手術後にLIVEに復帰出来たと、あまり思い上がってもいけない気がする。
  いい気になれば必ずどんでん返しが来るのも人生。節制はもうやむないルーティンだ。
  ただ、この人とStageに上がりたい。その積み重ねは半端ない。
  この人とLIVEをやれてこそ本当の復帰だとも思える。
  ギタリスト“Jose有海”。
  長く田野LIVEをサポートし、助言やアドバイスをくれ、
  アレンジを手掛け、気が遠くなる程一緒に場数を踏んでくれた同じ歳の名Guitar Player。

  この日、千葉LIVE以来一年半振りに同じStageに立ち、一緒に演奏が出来た。
  やはりその奏でるフレーズは堪らない。会場全体が引き込まれて行く。
  互いに歳を取ったが、その歳月ならでは阿吽や深みもある。
  後記の冒頭に宣言したい。田野は高齢者にはなりましたが、LIVEに復帰致しました~!


  【構成】


  この時期のLIVEを彩る曲達は…春。
  やはり卒業。別れ。出会い。人が抱える様々な事情を含みながらも前を向き歩き始める気持ち。

   ~ 一部 ~
  ①「Blue Time Scene」
   やっぱりJoseギターが入ると曲の奥行が出て、軽快なノリもより深い。
   
  ②「瞳を閉じて過去を撃て」
   実はかなり久し振りの選曲。
   なのにそれを感じさせないのはJoseギターから入る曲調があまりに自然で心地よく、
   お客様がそのリズムを身体で覚えていたからじゃないだろうか。

  ③「鎌倉如月日向道」
   実はちょびっと二番の歌詞の一部を改善方向に変えました。気づきましたか?(笑)

  ④「Studio R/D」
【New】
   この日は敬愛する深野義和さんのお誕生日。
   事前の電話でのやり取りや元気だという近況を皆さんに報告し、新曲は深野さんの自宅スタジオ
   “レインドロップスタジオ”が主役。曲名はレインドロップスタジオと読んで下さい。
   歌の中では「レインドロップステューディオ」と歌うのが味噌(笑)

  ⑤「芝居仕掛」
   Joseギター真骨頂で盛り上がる。
   やはりいい。やってて本当に気持ちがいい。

  ⑥「オブラート」
   最近YouTubeにupもしたが、LIVEではJoseギターでより淫靡にエロティシズムが薫る♪

  ⑦「Tokyo City Lights」
   この曲はJoseコーラスとの掛け合いがあるので、やはり彼が一緒でないと選曲しない曲。
   今回歌って判ったのは、皆さんこの曲を結構好いてくれているのが伝わって来て嬉しかった。


  ~ 二部 ~

  ①「SAKURA」
   二部の前半は独り語りで。
   この曲をギター1本でやるのは実は初めて。
   原曲はJoseさんとLIVEでも随分やったが、
   西村幸輔さんarrangeでAlbumに収録したVersionはワルツリズムで、これが曲を更によくしてくれた。
   以降LIVEでは巡り合わせもあり、ピアノや二胡を入れてのワルツVersionで歌っていた。
   Joseさんと新Versionでやる事も考えたが、前出の新曲をまとめる必要と工数があったので、
   初めて一人で歌ってみたもの。評判は良かったようでホッとしました。

  ②「Kのバラード」
   故佐藤房夫さん作詞作曲の名曲。学生の頃、いい曲作るなぁと結構影響も受けた曲。
   会場には房夫さん次男夫婦と三男夫婦が来てくれていた。
   去年の辛くて哀しい夏を共にした戦友のような、父親代わりのような…色々物語があった。
   彼らがこの先家族を増やし、仲良く歩いて行けるように、
   君達の親父が若い頃にどんなに素敵な恋をしていたのかを感じておくれ…

  ③「啼けない狼」
   前世で狼だった友達が、その優しさ故に狼の世界では生き難かった事を鑑み、
   神様が人間に生まれ変わらせてくれた。彼は人間の世界で躊躇う事なく人を愛し家族・子供を愛したが、
   狼の世界では経験しなかった感情に苛まれる。人間は嘘をつく。裏切る。富とか名誉に執着する。
   口で言う事とやってる事が違う事を取り繕ってバレるのを怖れ、人を貶め、愚かな戦争をする。
   悩み藻掻くが、友達は愛する事を選び、愛する者達を守る為に疲弊し、死んでいった。
   その友達をずっと見て来た俺は彼の事を歌う。啼かないんじゃなく、愛する者の為に啼けなかった狼の話しを。
   みっともない政治家達や戦でしか出口を見い出せない愚かで器のない世界の指導者達に皮肉を込めて。

  ④「終曲(フィナーレ)」
   卒業Song。女子大の学園祭でギンギンのRock Band達の中でギター1本で歌った時の好反響が思い出深い。

  ⑤「飛行灯」
   ここから再びJoseやん合体。
   随分練って練って、今のコードと尺になった曲。あれから随分と長く歌わせて貰っている卒業Song。
   歌っていて今でも結構切ない…

  ⑥「ジェッダの風」
   この曲のアラブ感、中東の空気感はやはりJoseギターがないと表現出来ないなぁ。
   現地に行って曲を作っている田野。現地になど行ってないのにその世界観を表現するJoseっち。
   改めてすんごいギタリストだなぁ♪

  ⑦「綺麗事のマジシャン」
   これも卒業Songだ。
   恐らくJoseさんと一番数多く演奏しただろう曲。二人でフジテレビにも出て歌った(YouTube有)。
   深野義和さんに初のCDにして戴いた想い出の曲。もちろんStudio R/Dでレコーディングした。

  ⑧「Real Road」
   そう、この時期に歌わないとね。セットリストのやはり最後が似合うかな。
   届いてくれたかな?伝わったかな?元気になってくれたかな。自分も大切にして下さいね。

  ~アンコール~

  ①「背中合わせ」
   久し振りのwith Jose有海Version♪

  ②「主のない部屋」
   切なくも前を向いた曲♪
   イマドキ煙草の出て来る歌詞は嫌われるのだろうが、
   煙草1本を吸う僅かな時間だけサヨナラを先延ばしした優しさ…
   煙草って歌詞見ただけで文句つける輩には、スルーして頂いて結構。
   ま、そんな恋愛経験はあるまいに(笑)
   でも歌い続けたい代表曲です。


  【客席】

  マダム育子さんことT中さんが、千葉の印西からお一人でいらして下さいました。
  思いのほかお元気で、打上げにもご参加。久し振りに歌声も披露してくれた。蘇州夜曲…いいなぁ♪
  愛知から荒天候に翻弄されつつも、O野さんも駆けつけてくれました。
  女優のM下京子さんお久しぶりです。ステージとの掛け合い楽しいですね(笑)
  Iさんも久し振りになっちゃいましたね。LIVEレポートお願いしちゃいました♪
  猫さんと丑さんもお久しぶり。嬉しいねぇ。

  前出しましたが、この日は昨夏他界した盟友佐藤房夫さんの次男夫婦と三男夫婦が来てくれました。
  Kのバラードと啼けない狼を聴いて欲しかったんだ。笑顔での再会が嬉しい。

  ある程度の頻度でLIVEをやるというのは、そこに集い音楽を楽しみつつ、
  長い歴史の中で培われたお客様同士の無事を確認し合い、笑顔を交わせる社交場でもありますよね。
  都度再会のお手伝いをさせて戴いているようで、とても幸福な気持ちになります。


  【アンケート】

  アンケートでは「Tokyo City Lights」が結構ご好評でした。
  「啼けない狼」「Kのバラード」「Real Road」「SAKURA」「オブラート」も、
  「Blue Time Scene」「芝居仕掛」、新曲の「Studio R/D」も高評価を頂きました。
  アンコールの「背中合わせ」「主のない部屋」もご好評戴き嬉しい限り…
  アンケートは面白いしホント参考になります。
  書いて下さってありがとうございましたm(_ _)m


  【所感】

  今年遂に花粉症デビューになったっぽい田野でした。
  その中でのリハーサルは声も涸れて楽ではなかった。
  でも久し振りにJoseさんとのリハーサルは正直楽しかった。
  いつの間にか二人でないと歌わない曲が増え、この日はその曲達が嬉しそうに跳ねていたような(笑)

  初めてお世話になったOilCityの廣瀬さん、ありがとうございました。
  OilCityはダウンタウンブギウギバンドの和田さんや新井さん。キャロルの内海さん等がLIVEをされているハコ。
  音響さんもとても真剣に向き合って下さいました。感謝です。

  Jose有海さんとのunitで復活できた今回。
  田野が次に見据えるのは八ヶ岳LIVEになります。
  八ヶ岳と、山の仲間達やお客様との再会。そして新しい曲達とお馴染みの曲達のご披露。
  更にはDenpsyRollとの共演。数曲ですが、Bandを背負ったLIVEの復活…
  お医者様に叱られそうですが(汗)

  3月の春LIVE、去年はまだ出来なかったですね。
  ありがとうございました♪是非また音楽でお逢いしましょうネ(^-^)/


                                       田野ユタカ