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つれづれ日記

田野と素敵な仲間達の話−10

FATツアー和歌山編

 FAT=深野・有海・田野のLIVEツアーでのよもやま話は切りがないが、
 更に印象深い旅の一つに和歌山がある。いずれも深野さんの
 大阪LIVEに続くのだが、深野さんの作詞のお弟子さんのご縁で実現。
 和歌山といってもツアー先は風光明媚な温泉保養地「白浜」が近い田辺。
 そしてこの辺りは田野の父親の故郷であり、小さい頃から比較的
 馴染みのある土地柄!自分でも何度か訪れた所だけに、懐かしさと期待が
 一杯だった…とはいえ実は前の年、この辺りにはFATで養護老人ホームの
 慰問に来ていたのだ。
今回が二度目!

 今は比較的有料道路が整備され、大阪ツアーの定宿・三井Aホテルから十三、
 塚本を抜け、大阪ベイサイドを巡る高速を行けばノン渋滞で関西空港へ…。
 そこから阪和自動車道に回ると和歌山市まで小一時間。海南・湯浅道路で
 日の岬の根元あたりまでは楽勝だ。そこからは海岸沿いのドライブ。
 気分は上々!

 お昼には田辺市の手前の南部まで来た。この南部町が父親の故郷で、
 お婆ちゃんの家があった所だが、親戚はその頃は僅かに伯母さんと
 従兄弟夫婦が暮らしているだけだった。南部の手前の見晴らしの良い
 崖の上に、魚の美味い小奇麗な食事処を知っていた田野は、腹が減ったと
 ゴネる二人を騙し騙しして、ここまで引っ張って来る。「どうだぁ!」
 「美味い美味い!」 景色より食い気のFATである(+_+)

 田辺市にある紀南文化会館という大ホールで、「深野義和・愛を歌う」という
 すんごいイベントが催された。これは凄い!舞台のセットも半端じゃない。
 大入り満員だぁ!この辺に大物歌手が来ると必ずここで公演するようで、
 楽屋も立派。お!シャワーだ!浴槽まであるよ。歴代の大物にあやかって、
 ステージ前に身を清めるか…あれ?お湯が出ないぞ?
 深野さんとJoseさんがなぜか指差して笑ってらぁ?なんでやねん?

 田辺・南部・白浜地区のカラオケ教室が一同に会し、各教室が代表選手を
 送り込んでの歌合戦が余興として行なわれ、華やかに艶やかに競い合う。
 ステージママに付き添われたフリフリ系のアイドル候補ちゃんや、
 着物姿も凛々しい年季の入った演歌お父さん、歌唱力惜しみなく披露する
 お母さん…。みんな入れ込み方がすごい!これは新しい文化?祭り?
 かもしれないなぁ。楽しいぞ!おっと深野さんは審査委員長です。採点難しそー!

 おっと、我々の出番だ!負けずに謳う歌う唄う!
 MCタイム「私の父親はこの辺の出身。親爺の同級生やら初恋の人もこの中に
 いるかもしれませんね?」などと軽口を叩いていると、会場から「あ〜〜〜!」
 という声…ん?全てのプログラム終了後、楽屋に田野を尋ねてくれる人物が
 ありました。「あ〜〜〜!」 い、従兄弟の兄ちゃんと嫁さんだぁ!
 びっくりしたぁ〜!懐かしい〜!・・・ん?でも何でこんな所にいるの?
 お互いに聞いてしまう…。親戚は俺がLIVEやってるなんて知らないもんなぁ…。
 向こうもカラオケ歌謡教室を主催してるなんざ親戚には知らせないもんなぁ…。
 なぁ〜んだ、あっはははぁ〜嬉しい〜!なんか愉快だねぇ!

 打ち上げの席で、なぜか我々は「深野先生」「有海先生」「田野先生」と呼ばれた。
 よく大物演歌歌手が「先生」と呼ばれるあの感覚だ。生まれて此の方、先生などと
 呼ばれたのは後にも先にもこの時だけである。くすぐったい。二次会では、
 従兄弟達の歌謡教室が集まっているという、古いバス3〜4台を改造した
 岬の突端のラーメン屋さんに連れてってもらった。ここでは何故かCDが100枚も
 売れてくれて、ずっとサインを書いていた。おかげで今から思うと「和歌山ラーメン」
 を食べそびれてしまったが、スターの気分を味わってしまった。照れるけど…
 楽しかったぁ!

 この夜、泊めさせて頂いたのが、普通の民家。なのにとても居心地が良くて、
 和む。6月だった。蛍が飛んでいた。しこたま飲んで帰ったのに、お父さんが
 我々の為にイサキだったかを釣って、刺身にして待ってくれていた。
 苦しかったけど…美味かったぁ!修学旅行状態のFATである。
 Joseさんはこの家庭に馴染み、朝、キッチンでお母さんとお茶を飲んでいると、
 まるで住人のようだ。田野は朝風呂を申し入れてご満悦。ずーずーしー?

 この時の写真は面白い。寝顔撮り合戦をしまくった。朝、ふとカメラの気配を
 感じた田野は、一気に起き上がって寝起き一閃、見事な回し蹴りの
 ハイキックポーズで写真に収まった。後日、深野さんはその写真を見て
 ・・・絶句。タイトルを「ガキ…朝蹴り」と名付けた。深野さんの寝起き写真
 「ふきゃのでふ…すんまそん」は田野の傑作。Joseさんの「笑いながら眠る人」
 「お岩浮遊」は不朽の名作である。いずれもRスタジオに封印されている。
 一般の方が見ると多分うなされる。

 白浜温泉、円月島、千畳敷、三段壁、龍神温泉…風光明媚このうえもない
 南紀の中でも一際自然が豊かなこのあたりは、海も山も川も美しく、人情も厚く、
 大らかで明るい。父親の故郷ととても客観的なスタンスから関わる事で、
 ルーツを垣間見たような気もする。数あるFATツアーの中でも、この時の旅には
 格別な思い入れが田野にはあった。いつかまた来たいね!
 紀南の皆さん、ありがとうございました!

おしまい