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つれづれ日記

田野と素敵な仲間達の話−9

FATツアー八丈島編

 FAT(=深野・有海・田野)のLIVEツアーのよもやま話は切りがありませんが、
 印象深い旅の一つに八丈島があります。
 真夏のリゾートアイランドへのツアーなんてめったにあるもんじゃない。
 深野さんが学生時代に八丈島を愛し、幾度となく訪れる内に知り合った
 地元の方々とのご縁で実現したものです。
 深野さんのデビュー曲「貴方を乗せない船♪」は、正に八丈島で作った歌。
 凱旋LIVEの様相を呈して大変歓迎して頂きました。


 ☆メンバー紹介♪

 旅程は二泊三日。羽田から小型ジェットに乗り、
 小一時間で伊豆七島最南の島「八丈島」です。
 田野も多くの帯同者も初めてでした。ツアーはFATの他に、
 この時はまだ“きょん”と名乗っていなかったお馴染みのベースの小川君と
 ドラムスの瀬山の研ちゃんが帯同。その他、深野さんの愉快な仲間達が参加し、
 男女10名以上の賑やか軍団です。

 飛行機初めての小川君ウオッチングは愉快!
 乗り込んでからずっと視線は宙をさまよい、離陸の為に加速を始めると、
 瞳が大きく「クワ!」っと見開いたかと思うと目を強くつむり、
 機内に持ち込んだ愛用のベースを「ハッシ!」と抱き締めて
 祈るようにうずくまって固まってしまいました。
 横から突っつくと「イヤイヤ」をします。う〜ん…珍しいもん見してもうたわ!

 菊地さんという、深野さんの古い友人の方が色々と面倒を見てくれました。
 菊地さんのご自宅は島の南方地区の高台にあり、海まで坂道を下って行きますが、
 途中に滝や温泉があるという絶好のロケーションにあります。
 しかも広くてきれいで、バンド総勢5名はここに泊めて頂くのです。
 お邪魔しまぁ〜す!お世話になりまぁ〜す!



 ☆海♪

 
海は海水浴場ではなく、近くの静かで小さい漁港の堤防内で泳ぎます。
 もうメチャ水がきれい!向こう岸に泳いで渡る。
 対岸の堤防の向こうの外海では、釣り師達がこのくそ暑い日中に磯釣りしてる。
 やがて自分が釣りにハマルとは夢にも思わず「邪魔だなぁ!」と思いつつ、
 魚が逃げるのにも気が回らず、飛び込みを始める。それに飽きると、今度は潜る。
 「あ!ふぐだ!でかい!」…フグは少年達にいとも簡単に捕えられ、
 丘に上げられて思いっきり膨れてる。

 向こう岸には「海が嫌い!」と言い切る連れの一行が、暑さに耐えて並ぶ姿が
 なんか微笑ましいぞ!クーラーボックスには豊富なビール…寝不足と爆飲の酔いで、
 一番はしゃいでいた田野は穏やかな湾内で足が攣り、焦る内に心臓バクバク…
 「俺、溺れてる?」すぐ傍にいた深野さんが「おい、どうした?」と気付いて、
 ビーチボールかなんかを渡してくれたので助かったのですが…田野が溺れてた事を
 誰も知りません…というより気付いてもらえませんでしたぁ!ただ穏やかな夏の海を、
 何事もなかったように漂って岸に辿り着きます…。後日判ったのですが、
 同じように寝不足なのに爆飲していたJoseや小川君も人知れず溺れていたそうな…
 こ、こえ〜!でも…やっぱ「海が好き」!


 ☆温泉♪


 海から上がると、帰り道にある大きな露天風呂の温泉に水着のまま入ります。
 もちろん混浴。地元のお婆ちゃんと仲良くなりますが、言葉がよく判りません。
 でも和気あいあいです。連れの女性陣も水着で一緒に入ります。水着が染まるか・・・
 というような湯の色ですが、気にしません。
 湯殿のすぐ下を川が流れ、プチ熱帯雨林のジャングルのような森が山側に広がり、
 その奥には島とは思えないような滝があります。
 ちょうど海からの風が山を昇る途中で滝にぶつかり、
 なんとも気持ちの良いそよ風になって湯殿を渡るので、心地よくて
 いつまでも入っていたい、極上の温泉です。
 この露天風呂は、滞在中はカナリはまっちまいましたぁ!



 ☆バーベキュー♪

 
初日は泳いだ後に、菊地さんの家の庭でバーベキューです。
 「鬼殺し」という地の焼酎がイケてます。魚はもちろん肉も野菜も豊富で、
 アワビの子供とも言われる「トコブシ」が美味珍味!
 食べきれないご馳走と酒まみれで、正に酒池肉林!おっと、言い過ぎ?
 心地よい夏の夜風は都会とは大違いです。気持ちいい!
 菊地家のミズキという中学生と息投合した田野は、他愛もなくロケット花火に
 付き合ってあげました?…はい嘘です。奪って夢中になってましたぁ!
 陣取りをして壮絶な撃ち合いバトル…無論、田野の勝利!
 子供相手にムキになって勝つまで止めない性格は治りまへん。
 夜半、アスファルトに寝転がって、大の字で酔いを覚まします。車は来ません。
 星がきれいでした!



 ☆リハ&本番♪

 二日目はさすがにリハーサル。帯同者達は八丈観光に出掛ける中、
 我々は夜の本番に向けて炎天下でのセッティング&リハーサルです。
 皆、暑さに閉口していましたが、田野は妙にこれが楽しくてワクワクしていました。
 この時の写真とか結構好きです。そして夜!本番!島の祭りの日に当たるらしく、
 結構な賑わいです。深野さんも田野も、夏の海の選曲には事欠きません。
 Joseさんを筆頭としたバンドは、技術の裏付けと攻撃的な乗りで冴え渡ります♪
 うりゃ〜!とりゃ〜!シャウト&ダンス♪
 深野さんの「渚のレナ♪」「月影のダイナマイト♪」「海より深く愛したい♪」
 等の名曲群が爆裂!大きいステージは動き回れるからいいなぁ♪
 田野は「刹那の夏♪」「サマーエンジェル♪」を熱唱!楽しいぜい♪



 ☆打上げ♪

 打上げは記憶に…ない。
 微かな記憶は…島唯一の繁華街は、背中合わせの二つの建物。
 同じ建物で何代にも渡って娯楽文化を継承してきたようで、
 偶然田野の職場の先輩が、昔ハワイアンバンドのバイトをしていた
 キャバレーと同じ場所、同じ名前の店…今はカラオケパブです。
 島の若者達の発散の場所らしく、賑やかです。結構女性も多く、
 きれいな子がアイランドリゾートモードで歌っています。
 連れのメンバーが、デニムショートパンツの脇から何かが見えたの見えないの(?)と
 大騒ぎしてますが、ドンクサイ田野は…み、見逃したぁ〜!し、しまったぁ〜!
 そのきれいな子達とは、翌日の空港でバッタリ!航空会社の娘だったかぁ…
 という下り以外は、綺麗に記憶から抜け落ちています。飲んだのかなぁ?
 飲んだんだろうなぁ…。



 ☆クルージング♪

 もう最高にメッチャ楽しかったのは、最終日の漁船(?)クルージング!
 しっかりした最新鋭の型の漁船ですが、これがその辺の下手なクルーザーよりも
 走る走る!最高!太平洋のど真ん中を風や水を切って進みます。
 船長が悪戯っぽい目で田野を見る…操縦を?…代わっていいんですかぁ?しえ〜!
 知ってました?船は免許を所有する人が同乗していれば、その監視下であれば
 無免許の人が操縦してもいいんだそうです。
 更には、大きい声では言えませんが、飲酒操縦を罰する法律がないんだそうで…
 だから無茶苦茶していいという訳ではありませんが…えへへ、気持ちいい〜!
 楽しい〜!最高!いつか船舶免許取ったろ!でも後日、写真で見ると、
 みんな顔が引き攣ってます。元気なのは田野だけ?怖いの?
 深野さんに言わせると「田野はガキ!」なんだそうな…。
 う、う、否定出来ない…。



 ☆ツアーは楽し♪

 八丈観光をしていた同行者の間では「八丈島のきょんは、小川さんと似ている!」
 という定説が流れ、帰路につく頃には、ベースの小川君は
 「きょん小川」として定着していました。今や鬼束ちひろのベースも弾き、
 TVにも出て、FMラジオでもその名で呼ばれる彼の名前の、
 これが誕生秘話(?)でした。

 それにしても今思えばなんでこの頃、釣りをやってなかったんだろう…。
 八丈島といえば釣り人の憬れの聖地。しかも船まであったのに…。
 ヒラマサ、カンパチ、シマアジ等の、刺身の超高級回遊魚がバシバシ釣れるのに…
 う〜、残念!さ、刺し身〜!

 たった二泊三日…でも楽しかったな!たくさんの思い出と共に、我々は真っ黒に
 日焼けした顔で真夏の島を後にしました。いつかまたきっと来ようね!
 ありがとう八丈島…あ!明日から会社だ!トホホ〜!!!

おしまい