profile Gallery Song List Link BBS Diary Q&A Home



田野の日本紀行−1

初めての北海道−編(前編)

 北海道に初めて行ったのは、大学二年の19の時です。
 仲間三人で車で夏の北海道行きを企てたのはGWを過ぎた頃。
 とにかく「行くしかないよ!」の気合だけは立派ながら、計画性に欠ける我々は
 直前になって集まっても「行くしかないよ!」の掛け声だけで全てが約束されたような気になり、
 それぞれのバイトのスケジュールや諸々を確認したのは夏休みに入る直前です
 日程が…合わない…(*_*;
 結局少し遅れて田野が追い駆けるという事になり、
 奴等の先発車に当時の愛車「CHERRY」を一人で転がして行くか(サビシー!)、
 飛行機か列車で行って合流するか(キビシー!)…悩んでました。


 ☆(♂1+♀3)→in北海道=♂3:♀3

 そんな頃、ある午後の階段教室で、田野は自分と同じ高校から同窓となった
 一年生の後輩の女の子達三人から、選択授業の件で相談に乗って欲しいとの事で、
 話しをしていました。「何で俺なんかに相談するんだろう?」と思ってたけど、
 彼女達が「何で田野さんなんかに相談しちゃったんだろう?」と思う迄にさほど時間は掛かりません。
 あっという間に本題は終わり、「夏休みの予定を立て損なっちゃった」という話題になると、
 俄然元気な田野先輩!「そんなのちょっとした思いきりだよ!」
 得意の遊びの分野の話で盛り上がります。そして閃きました。
 「行くか?北海道!乗ってけ!」「え〜!いいんですかぁ?」…!(^^)! 
 う〜ん、どうせ泊まりはYHだし、2〜3日したら3対3だし、車2台だし…これはいいかも!


 ☆(♂1+♀3)→iwate→okunakayama(^^)/

 …という訳で、奇妙な男一人、女三人の一行は北海道へ夢を一杯抱いて旅立ちました。
 車は東北自動車道をひた走り、当時は宮城の古川で降りて、ここから国道4号線を北上します。
 一泊目は岩手県の奥中山高原。
 西岳の裾野の、後々「高速旅行♪」や「心紐♪」にも登場することになる、
 大好きな草原との出会いでした。夏でも寒いくらいで、星空も綺麗な所。
 当時のYHの雰囲気もGood!旅の初日は上々です!
 翌日も天気・気分共に快適。眩い緑の草原を車は快調に走ります。
 三人娘をH子、T子、Y子と呼び分けましょう。今から思うと、人も羨む粒揃いだったかも…。
 明るくて優しくて、ホントにかわいい子達でした。


 ☆(♂1+♀3)→aomori→oma^_^;

 涌き水の小さな流れや、雄大な牧場風景を車窓に楽しみながら、
 やがて国道に戻ると一路青森港へ…昼過ぎのフェリーを予約していました…が…着かない…
 の、乗り遅れたぁ〜!高速と一般道の時間の読み違い?
 「最終便まで一杯だよ!」「そんなぁ〜!」「いっそ大間に行ってみな!」「大間ぁ?」
 大間は下北半島の最北端。つまり本州の最北端の町。
 夏目雅子さん主演で映画化された小説「魚影の群れ」の舞台にもなった
 「マグロの一本釣り」で有名な海峡の港町です。
 前の年に尻屋崎や恐山、薬研温泉等下北を旅して土地勘があったので、
 迷わず車を大間に向け、夕方前に到着!
 海の向こうに北海道がくっきり見える、とても印象深い町でした。
 ここでも…「満杯だよ!」「え〜?」
 結局最終便が出た後、その日の夜遅くに臨時便が出るという事で、ようやくフェリーに乗船できました。


 ☆(♂1+♀3)→on tugarukaikyoh(T_T)

 「本当に北海道って遠いなぁ、はるばる函館って判るなぁ…」という心境です。
 慣れない無計画な旅に、三人娘はハラハラドキドキ。
 でもそんなスリリングがまた楽しいようでしたが、さすがに船に乗り込む頃には皆ぐったりです。
 田野はタバコを吸う為に一人で甲板に出ました。すると…「な、なんじゃ〜?こりゃ〜?」
 フェリーの周りを取り囲む漁り火のイルミネーション!満点の星空!
 そして、やがて浮かんで来る函館の百万弗の夜景!
 夜遅いこの臨時便のフェリーじゃないと絶対見れない幻想世界です!ラッキー!
 疲れも忘れて見とれていました。H子が、帰りの遅い先輩を「海に落ちたかな?」と心配して(ん?)
 見に来て、この光景に驚きます。声もなく隣でこの幸運な光の魔法を見ていました。
 …しかし、この旅はここから意外な方向へ展開し始めるのです。田野はまだ気付けませんでした。


 ☆(♂1+♀2)searching(♀1)on ship→hakodate(>_<)

 函館の夜景が迫り、下船準備を始める頃、Y子が見当たりません。残りの三人で船中を捜します。
 接岸の直前に船尾の甲板にいた彼女を見つけると…完全に鬱状態。
 なだめながら車に乗せ、船を降りてホテルへチェックインし、夜遅い函館の町へ、奮発して
 寿司を食べに出掛けても、ご機嫌が直りません。T子が聞いた話では、どうも船上のあの幻想風景を、
 たまたま迎えに来たH子と甲板で二人で眺めている格好となった後ろ姿をY子が見つけ、
 ズルイ…となったらしい…。こえ〜!早く先発隊と合流したい〜!とにもかくにも北海道上陸!
 翌朝は…またまたすっごい快晴!港町函館はエキゾチックで気持ちいい〜!
 再び全員上機嫌で、函館ドライブを楽しみ、大沼の景色を堪能し、
 先発隊の待つ合流場所=洞爺湖を目指します!


 ☆(♂1+♀3)→touyako…but ▲ dokkaan→noboribetu!

 今年、24年振りで北海道の有珠山が噴火し、地元の方々が
 避難生活を余儀なくされておられましたね?その24年前ってのが…この時だったんですぅ!
 洞爺湖周辺の道路は封鎖され、近づけません。宿にも辿り着けません。
 宿とも奴等とも連絡が全然つきません。携帯もないこの時代です。
 室蘭の町も火山灰が降って灰色と化し、表には人っ子一人歩いていない。
 ゴーストタウンのような中を、車は火山灰を巻き上げながらさ迷います。
 やむを得ず登別温泉に辿り着き、宿を探します。「一部屋だったらあるけど…二部屋は…」と
 何軒か断られ、忘れもしない「梅乃屋旅館」さん!泊めてくれてありがとう!今でもあるのかな?
 今から思えば「幸福の黄色いハンカチ」にこんな場面あったね?とにかく温泉温泉!
 大きなお風呂!うれし〜!あれ?脱衣所は男女別だったけど、出て来るところは一緒じゃん?
 混浴?あいつ等、入って来ちゃうぜ、もうすぐ…ん?・・・\(^o^)/ワーイ


 ☆(♂1+♀3)→niikappu…but (♂2)broken…

 翌朝、我々は競走馬の産地「新冠」を目指します。エンジン快調。体調は…「フェ〜クション!」
 H子「田野先輩、大丈夫ですか?」「ふんにゃ、でぁ〜じょうぶ、グシュ…」
 夕べ、三人娘は混浴に気付き、宿の女将に家族風呂を教えてもらってそっちに入ったんだそうな…
 (ヨケイナコトヲ、オカミー)
 T子「晩御飯の時間になっても戻って来ないから心配しちゃいました」
 「いや、お前達が入る時にへんなおっさんとか来たら守ってやらないかんと思ってな…、ハッハッハ^_^;」
 Y子「私達の為に風邪ひいちゃったんですね?」
 「いやぁ、なんのなんの…べ、別に待ってた訳じゃないし、お風呂好きなんだよ!
 ハッハッハッハ〜ックショ〜ン!」
 新冠地方も快晴!緑の牧草地帯が本当に鮮やか。
 その中を優雅に駆け抜けるサラブレッド達の美しいこと。新冠YH。
 洞爺湖の翌日はここに予約を入れていたので、奴等もここに来る筈!
 ここまでは宿を予約して、この後から気の向くまま旅行に突入の腹積もりだった。
 良かったぁ、次を決めていて…。
 ところが…夕方にになり…夕飯時になっても…奴等は…こ、来ない…(-_-;)


                                                    つづく