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つれづれ日記

田野の日本紀行ー23

天城越え 編


行く人の影もない 天城の道
ふたり たどれば 雨が降る♪

“天城中伊豆誘い旅”より


  伊豆を語れば、語り尽くせない。南に東に西に中に…海に山に、湯宿の風情…
  つれづれなるままに語ってみようぞ!

 −南伊豆・弓ヶ浜−

   

 8月の後半、終わりゆく夏を惜しむかのように、南伊豆の弓ヶ浜に行っていた時期がある。
 娘Sとその友達と親が集う「会」の旅行で、これが親までがメチャ楽しめる!
 そりゃあ楽しい夏休みなのでありんす♪
 弓ヶ浜は伊豆半島南端に、天然地形に弓の形に広がる白砂のビーチ。
 水の綺麗さや風景の素晴らしさは、伊豆でもTOPクラスなのだ!

  朝…穏やかな目覚めの海
 割と早く起き、早々にビーチへ。散歩する人もまばらな早朝、波は静かに寄せては返す。
 沖を見やると、海と空の境目にはいかにも夏だと言いたげな入道雲が気配を漂わせている。
 そんな海に向かい・・・思い切り竿を振る!へ?「シュルシュルシュル」っと
 リールからラインが飛び出す感触。波が浮き上がる所の更に先にジェットが落ちる。
 「気持ちイイ〜♪」誰にも邪魔されずに投げ釣りだぁ!白ギスが釣れ、しかも型がいい。
 いわゆる尺ギスってやつだ!パールピンクのボディラインは本当に美しく、かつ美味しい♪
 やっぱり天ぷらが美味いが、尺モノは新鮮なら刺身でもイケル!ん?んな話しだっけ?

  日中…のんびり揺れる夏風景
 昼は焼くなんざとんでもない!暑いし、日焼けしすぎは温泉にさし障る。パラソル必須!
 後は泳ぐ泳ぐ。遠浅で泳ぎやすい。景色もいいから本当に心が洗われる。沖へ沖へと進む。
 背中を夏の日差しが射す。たまらずにゴーグルをつけて潜る。イワシの群れや、カラフルな
 小魚たちがゆったり泳いでいるのが見える。馬面ハギや、岩場にはウツボもいる…コエ〜!
 浜の浅瀬にも、時々トビウオなんかの群れが迷い込んでくる。子供たちと手をつなぎ、
 砂浜に向かって半円の人の輪を作り、だんだん浅瀬の方に縮めていく。逃げ惑うトビウオ。
 興奮の瞬間!とうとう一匹が、陸に向かって逃げ、白砂のビーチで羽根をばたつかせる。
 そいつを生け捕りにする…カ・イ・カ・ン♪新鮮なヤツは、意外とタタキが美味♪・・は?

  夕方…彩りの夏模様
 夕方前になると、そこから夕映えの風景が映画のように始まる。田野は姿を消す。
 砂浜の東端から岩場になっており、この岩場伝いに進み、ある岩の上でこの夕景色を・・・
 全く見ずにタンクトップ&海パンで、夜の宴用肴調達行(?)と称して竿を振り、団体行動を乱す。
 いったいどこにそんな道具仕込んでいたんだか(呆)。
 昼間は子供達を相手に存分に遊んでもらっ…あげたから、お咎めもあるまい!
 まずアジなら釣れ、新鮮なタタキには不自由しない。が、このポイントの目玉はカワハギ。
 デカイ!肝も沢山取れ、薄造りの刺身が一匹で刺身皿が満たされるボリューム。美味♪
 アジを追って足下にヒラメも来るが、やや小ぶり。ここで一番興奮したのは「イサキ」!
 でかい!魚屋の軒先のイサキしか知らなかったので、最初何が釣れたのか判らなかった。
 スンゴイ引き。切られると思い、魚が上がってくる動きに合わせて
 強引に一気に抜き上げた!50cm近い!しかも太い!!嬉し〜&楽し〜!!!
 夕食前にこっそり戻り、速攻温泉に飛び込んで夕食の席には…いる。
 何もなかったように(汗)小さい子は寝かしつけて、宴の時間。
 華やかなイサキの生き造りが出てくる。歓声が上がる。
 宵っ張りのガキ共はお目めキラキラ♪LIVEの感覚に似ている…と、これはこじつけ(苦笑)
 宴のノンベエな面々の胃袋は、鮮度抜群の刺身三昧で毎年満たされてくれたのだ♪

 南伊豆・弓ヶ浜…そこには絵葉書のような、田野の中の夏休みの海の風景が…ある??ん?


  −東伊豆・伊豆高原−

  東伊豆は様々な場所が交錯するが、泊まるのは伊豆高原が多い。

   

   網代…海が変わる、伊豆の玄関口
  ここではアジ、サバ、アイナメ、メバル等色々釣れるが、印象深いのが意外にもボラだ。
  雑魚の代表のように言われ、関東では見向かれもしないが、地方では重宝がられる魚。
  その理由が判った。70p級の大物を上げ、他に獲物もなかったので持ち帰ってみると、
  何と刺身で超美味!下手な養殖ハマチなんかよりよほどGoo!
  外海で育ったボラは・・・美味い!
  昔はここらのボラを江戸城に献上する為、城が崎海岸に「ボラ納屋」という史跡が残る。
  江戸の海にも有象無象にボラはいるが、臭くて不人気…東伊豆のボラは逆に高級品?
  
   八幡野…リアス式海岸線の隠れ家のような美しい漁村
  青物を狙う磯釣りのメッカで、底モノ「カサゴ」をゲット…大物だけど…これはご愛嬌!
  やはり煮付が美味!メジナなら大小入り混じって釣れるが、あまり美味いとは思えず(汗)

   大川温泉…目の前に伊豆大島、知る人ぞ知る隠れ湯
  ここの堤防は穴場。帰りに同じ湾内にある、海に面した公営露天風呂に入れるのがいい!
  海タナゴの型モノを初めて釣ったのがここ。アジやイワシも回遊してくる。
  田野は未体験だが、目の前で伊勢海老を釣った人がいた。2匹。しかもデカイ!
  悔しい&羨ましいぞ!よく釣れるキュウセンは関東では外道だが、関西では一転高級魚!

   川奈…風景だけじゃない水の綺麗さは潮回りの良さ
  いるか浜公園の先端で、何といってもシマアジが印象的。これがそこそこの大物だった。
  後にも先にも一回こっきりだったが、もちろん刺身で戴く♪こりゃたまらんぜよ!!
  アジやサバは無難だが、釣れたてのサヨリは超美味♪
  ここは外道も多いが、海も景色も綺麗で足場も良く、子供連れにも人気がある。

  東伊豆・伊豆高原…そこはお洒落さと懐かしさが交錯する?最も身近な伊豆の風景だ??


 −西伊豆・戸田−

    

 西伊豆は美しいスポットが沢山ある。
 大瀬、土肥、宇久須、堂ヶ島、松崎等々馴染みも深い。
 しかしダントツで行っているのが戸田だ。
 戸田は天然地形の内湾。湖のように穏やかである。
 高い山々が急激に海に下り落ちている。だから穏やかな水面ながら水深は深い。
 川も注ぎ込み、よい海を育む為の山の栄養も充分。天然地形で外海側は砂が堆積し、
 内側は砂浜で外側はごろた石で、半島のように外海と内海をつなぐ狭い水道に突き出る。
 防波堤もないから昔から潮が廻っていて、水質の透明度も高い。もちろん潮の干満はある。
 だから回遊魚が入ってくるし、魚の産卵場としても機能しているのだ。ボートを借りて、
 湾の真ん中に出る。海越しに富士山が仰げ、まるでお風呂屋さんの壁画の風景そのものだ!
 
 最高のロケーション…の中で釣り糸を垂れる(ヤッパリ)。のんびりマイペースなのがいい!
 アジ一つとっても、真アジ、丸アジ、ムロアジ…サバはマサバ、ゴマサバ…まず外さない。
 しかし何と言っても真鯛、カンパチ、イナダ、カイワリ等の高級魚が釣れる。刺身〜♪
 カサゴもゴツイ。砂地では白ギスも狙える。カワハギは南伊豆に比べれば小ぶり。
 ソーダカツオは釣り味だけは面白い。川が海に注ぐあたりではスズキも狙える。
 昨年は初めて大型のカマスを上げた。50pオ−バー&太い!素焼きでポン酢醤油!
 こいつにスダチを絞る・・・サイコー!ビール美味!お腹も心も満たされるぅ〜♪
           
 あれあれ?風光明媚や歴史や小説・伝説や、温泉や侘び寂びを語ろうと思ったのに…(汗)
 釣りの話ししかしてない?ひゃ〜!書き直すの面倒だから勘弁して〜い!!!


   −天城越え−

   最後くらいは文学チックに…な〜に、海から離れりゃ大丈夫!

      

  長岡〜大仁〜修善寺…中伊豆へ行く分岐を、天城への道を選ぶ。6月の伊豆には、
  紫陽花がよく似合う。雨は上がって、やや蒸してはいるが、
  湯ヶ島まで来れば少し涼しい。浄漣の滝を愛で、天城峠の旧道を行く。
  神秘的な隧道を越えると、程なく河津七滝へ出る。踊り子が辿った道を、
  平成のいま辿ってみる。蒸し暑かった空気が、冷んやりとしてくる。
  観光客が多いのは「踊り子と学生」の像のある初景滝まで。
  その先の、急傾斜な階段から山道に歩を進める人は少ない。
  釜滝、えび滝…人影は疎らだ。
  伊豆の山々に降り注いだ雨が地中深くに染み込み、この辺りに湧き集って川が生まれる。
  その先の急傾斜の道に歩を進めた者だけが、その汗と引き換えに知り得る世界があった。
  滝や渓流の清さを何に例えたらよいものだろうか…そしてこの道を共に辿る愛おしい命…
  この気持ちを伝えたいと言葉に迷い、ふと川面に視線を落とした時…ん?
  何か水面を走った?魚の影?イワナ?アマゴ?ひゃ〜〜!!釣りてぇ〜〜〜!!!

  あ〜!ダメだぁ〜!!雰囲気ぶち壊し〜!!!でも…伊豆、大好きぃ〜!!!


            
後悔してない 別れた今も
             明日の朝 天城を独り越えるわ♪

                  “天城中伊豆誘い旅”より


                注)「こんな旅の背景から、何であんな曲が書けるの?」
                   と、よく人に訊かれる。自分でもそう思う(汗)。
                   まぁ、んなこたぁ曲に訊いて下さい(^-^;


                                    おしまい