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つれづれ日記−16


北欧日記 編


 2006年4月27日、SAS航空のエアバス機が成田をTake off!
 20年以上前に初めて行った欧州はイギリス、フランス、ドイツ、オーストリア、スイス、イタリヤ、
 ギリシャ・・・の8ヶ国。昨年9月のパリ出張は二度目のフランスとなった。
 アジアのサイパンとインドネシアを加えると丁度10ヶ国の海外体験だが、
 まだ見ぬ北欧の国に足跡を残せるのは、やはり期待感が伴う!
 今回・・・11ヶ国目はオランダ、12ヶ国目のスウェーデン、13ヶ国目がデンマ−ク♪


 ☆オランダ

チューリップが一面満開 東京駅風の建屋が一杯 旧型風車は少くなった

 つい二週間前に行ったインドネシアを、植民地統治していたのがオランダ。
 欧州の大河のデルタ地帯に当たるこの国は、昔から治水との戦いの中で、
 水害に苦しみながら、干拓と植民地支配を拡大し、国を維持して来た。
 首都アムステルダムで海抜−6m。滞在したズゥオレの町でも−3mだそうな。
 排水を続けないと国土が水没してしまうので、国のあちこちに風車がある。
 山がないこの国では、どこからでも360度の地平線が広がり、
 チューリップを始めとする花々の栽培と、酪農が盛んな古き良き国である。

    
滞在は田舎町ズゥオレ ズゥオレの朝の風景

 日本との関わりも古く、ペリーの黒船以前に長崎に西洋文化を伝えた国。
 ハウステンボスを始め、日本にはオランダをモチーフにしたテーマパークが多いもんネ!
 首都アムステルダムから車で一時間半の、ズゥオレという田舎町に滞在した。
 時差の関係で到着翌日は4月28日。提携先のオランダ工場やディストリビューターを
 視察。翌29日が土曜日だったので、アムステルダム界隈をゆっくり観光した。
 海を仕切る大堤防を車で走り、チューリップが満開のキューケンホフ公園。
 点在する新旧の風車群を眺めつつ、港町のカジュアル&セレブ(?)な妖しいレストラン。
 通りから入ると古い絵画が沢山飾られた薄暗い淫靡な店内。次の間は
 ややカジュアルでルネッサンス風。その先には海に面したセレブ空間。迷路のように
 通路が巡っている。淫靡空間をセレクトしてランチ。ここはとっても気に入った!

ゴッホ美術館前もお祭り騒ぎ 運河ディナークルーズの発着所 クルーズ船から街を望む

 女王様の誕生日を祝う人で、アムステルダムは異様な賑わいを見せる。
 東京駅の丸の内駅舎がモチーフにしたというセントラル駅を始め、
 町の至る所に東京駅風の建物が点在する。ヴァン・ゴッホ美術館に行く。
 凄!こんなにもゴッホの作品が数多く無造作に観れるなんて知らなかった。
 え?てな感じで「ひまわり」もあった。人出が多いのに、楽に観れる。
 外はお祭り騒ぎで、大音量の音楽が美術館の中にまで響き渡るのが奇妙だ。
 この日は運河を巡るディナークルーズ。八時の出航までまだ時間がある。
 北欧はこの時期、夜の八時半くらいまで明るい。お祭り騒ぎの町を歩く。
 ガイド役の人が「SEX MUSEAM」を指し示す。連れに女性もいたが、これも文化。
 入ると結構女性客やカップルも多い。中々明るく楽しい博物館であった。
 北欧のベニスと言われる程、運河が街中を巡っている。ワインも食事も美味。
 クルーズで巡る夜のアムステルダムは美しい。さすがにハイネケンがんまい♪


 ☆スウェーデン

坂の上から見下ろす港町 港から市庁舎を望む メーデーで街はガラガラ

 翌30日の日曜は移動日。バルト三国のスカンジナビア半島の国「スウェーデン」へ。
 揺り篭から墓場までと習った福祉先進国。金髪の美しい娘さんが目立つ♪
 スパイクタイヤが認められているこの国の春は、意外と埃っぽい。
 環境先進国の割にはルーズなところが大陸っぽい。町を行き交う人はグッと減る。
 首都ストックホルムは端正な港町。フィヨルド地形らしく大小14もの島々から成り立つ。
 オランダから来ると、坂道やらの起伏と、岩盤主体の地質がまず目に付く。
 こちらも女王様誕生日とかで、夜通し賑やか?な割に町を行く人影は少ない。
 初日は夜遅くまで町をフラつく。魚釣りをする人に興味津々♪狙いはサーモン?
 小島の突端に行き、対岸の遊園地のイルミネーションと祝いの花火に見入っていた。

ノーベル賞祝賀晩餐が催される広間 幽霊船ヴァーサ号 市庁舎の湖岸から街を望む

 翌5月1日はメーデー。町中ガラ空き。いいもんだ。午前中はのんびり散歩。
 午後は市庁舎へ行く。毎年ノーベル賞の祝賀晩餐会が催される広間を見る。
 静寂と歴史がもたらす空気感に圧倒される。湖側に出ると風景も開放的だ。
 湖が対岸の島の水門から海につながっていて、ここに干満の差で激しい流れが
 生じる。そりゃサーモンが寄って来るわな!タックル持ってくりゃよかったぁ〜(悔)

 17世紀にスウェーデンが威信をかけて建造し、処女航海で沈没したという、
 謎に包まれた軍艦「ヴァーサ号」。333年後の1961年に引き上げられて復元され、
 現在「ヴァーサ号博物館」に展示される。木造帆船のその姿は正に幽霊船だ。
 船と運命を共にした船員達の白骨まで生々しく展示されている。う〜ん、怖!
 海と船が文化を語る上で欠かせない北欧は、その歴史や文化も独特だ。

 この国も日本同様に高齢化が進み、福祉財政が破綻しているそうな。
 消費税が25%の国での破綻・・・考えさせられる。増税以外で道を探らねば!

 2日の月曜日はS社本社を表敬視察。地元ディストリビューターを視察したり、
 S社が世界に誇る全長4qに及ぶお客様用試乗テストコースで、
 40tトレーラー牽引のトラクタや、大型サロンバスを運転。楽しい〜♪
 今回の目的は社長命令でのベンチマーク訪問。色々感じ入る事は多かった。


 
☆デンマーク

ミーハーに人魚像の前で ローゼンボー城で 穏やかな公園の風景

 翌3日は帰国途中に経由地として立ち寄ったデンマークはコペンハーゲン。
 オランダに行く前にも入国しているが、空港から外に出る時間はなかった。

 アンデルセン童話で知られるこの国は、大陸続きの半島と島々から成る。
 オランダとスウェーデンの中間に位置する、世界一歴史のある王国である。
 日本の皇室とも親交が深く、後継者問題は日本以上に興味の対象らしい。
 開けた王室としても有名で、自由恋愛で外国人と結婚しても祝福を惜しまぬ
 国民性は好感が持てる。整えた幸福ごっこよりも本当の幸福に賛美を贈る?
 首都コペンハーゲンはシェラン島にあり、有名な人魚の像もここにある。
 世界の三大がっかりと揶揄されるが、人気がなければそれなりに情緒ある??
 街のあちこちにある王室の施設で見られる衛兵交替セレモニーは人気だ。
 デンマークは今、景気がいいらしい。カールスバーグとアイスが美味い♪
 金髪の美しい娘達が行き交う風景もいいものだ。滞在半日・・・もったいない。

コペンハーゲンのど真ん中 衛兵交替前の王宮広場


 コペンハーゲンの空港は明るい。SASのラウンジで旅を思い返す。
 20代前半で行った欧州旅行もよかったが、年齢を重ねて訪ねた北欧も、
 忘れ得ぬ旅の一つになるだろう6泊8日だった。曲の幅も広がるかな?

 申し訳ないが、年齢的には当然のビジネスクラスでゆったり帰れる。
 ファーストクラスがない飛行機で、女優の川○麻衣子ちゃんが一緒だった。
 でもそれを騒ぎ立てる輩もいない。北欧は大人が訪ねて絵になる国々だ。
 かなりの時差ボケを覚悟しつつ、心地良いシートの中で眠りに落ちて行った。
 5月4日、帰国。2006年GWは、他に全く予定はない!十分だった。


                                      おしまい