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つれづれ日記-22


Mr.Saigon(VIET NAM)

 
  ベトナムに行ってきた。田野の世代では、あの戦争の陰影を拭い切れないイントネーション。
  しかしこの国では、今やそんな戦争を知らない子供達世代が経済を支えているのだ。
  ピュアでパワフル。混沌と喧騒においては、あのインドネシアやインドにさえ負けていない。

 まずは首都ハノイへ。成田から5時間少々で到着。これまで行った国々の中では一番近いかな?
 旧北ベトナムの首都でもあったこの町は、社会主義時代の歴史の影響を色濃く受け、
 人々は真面目でプライドも高いが、自ら発想するよりも決められた事を忠実こなす・・・
 事に長けているそうな。

 滞在初日は日系のホテル。アハハ。細々した説明とか皆日本語で書かれてる!
 こりゃあ楽だ!駐在員が言うには足裏マッサージが安くて有名らしく、日曜の夕方着だったから
 早速に皆で行ってみる。10個程の椅子が並んだ男女一緒の部屋で、
 男性には女性の、女性には男性のエステティシャンがつく。
 怪しげな照明の中で施術開始。気持ちいい~♪ん?イタタタタ…
 でも・・・痛気持ちいい!疲れが取れる~!

   
       ハノイの町の裏通り            こんな感じがハノイの町景色!       部屋の真下にプールが見える

 この国は仏教の国。
 イスラム教やヒンズー教の国々と比べると、テロ警戒レベルが低い分ホッとする。
 ホテルのセキュリティーやらなんやらに、いちいち物々しいチェック態勢が引かれていない。
 そういう国が久しぶりなので新鮮だったりする。朝食には有名なフォーをホテルで戴く。
 美味しい。日本人に合っている。人々はあちこちの屋台で、本当にフォーを嗜んでいる。
 これがベトナムの朝の風景。いいものだ。
 フランスの植民地だった事もあり、町にはその影響を受けた建物があちこちに見られる。
 ちょっとした狭い軒先のお店でさえ、2階3階のバルコニーの作り等に西洋が香る気がする。


  ハノイで3泊して仕事をし、4日目の早朝に早起きしてホーチミンに移動した。
  南北に長いベトナムを、1000㎞ほども南へ移動したことになる。ホーチミン。
  旧サイゴン。南ベトナムの首都だった町。サイゴン陥落の夜の歴史ドラマが錯綜する。
  ハノイと違って歴史的にも自由主義だったせいか、気さくで楽天的な人が多いそうな。

  あの名作ミュージカル「Miss Saigon」を生んだ町だ。
  田野はこの町で誕生日を迎える事になった。
  昼食は穏やかな郊外のベトナム料理のレストラン。
  広い敷地と歴史的な建物に深い緑の木々。食事も旨かったが、
  何よりもベトナムコーヒーの美味しさにハマった。これは癖になる!

            
  郊外のレストランでバースデーランチ♪   麦わら三角帽の雑貨売の女性を数多く見かけた   古くて新しい?旧サイゴンの町

 この日の夜はホーチミンから車で2時間程の郊外で、
 あるディーラーの社長さんに思いがけず招待され、同行の日本人や現地スタッフ5名と、
 この日初めてお会いした現地ディーラーのスタッフ十数名に囲まれ、
 屋外のレストランでのバーベキューディナーとなった。
 味は旨いんだか不味いんだかよく判らない(笑)が、英語も通じない多くのベトナム人達が、
 笑顔と乾杯を繰り返して誕生日を祝ってくれた。ありがとう。
 見上げると、この国に来て初めて星空が見えた。キラキラ瞬く星空の下で、
 遠い日本を思っていた。忘れ得ぬ異国の地での誕生日…
 でもホテルに戻れたのは深夜未明だったので、とにかく疲れた(笑)。
 でも初のホーチミンで、中心地での夕食をイメージしていたけど、
 こんな偶然もまた旅の味わいかもネ!

 二日目は商社のご招待で三つ星のフレンチ…の筈だったが、
 人気の限定席数の関係で予約が取れず(泣)。
 ベトナム料理の他、この国では日本食には不自由しないが、
 やはり少々飽きてきていたから、惜しかったなぁ、三ツ星フレンチ。勿体ないお化け~。
 食事後は、裏通りを案内される。クラブのようなお店が林立するこのあたりが、
 Miss Saigonの舞台…キムとクリスが出会った場所ってこのあたりかな?
 笑顔でお客を呼び込む現代のMiss Saigon達が通りを彩る。
 異質な空気感に充ちたこの通りは、まんま舞台のようだ。
 帰ったらMiss Saigonを心底観たいと思った。
 でも日本では、この舞台にキム役でハマっていた本田美奈子さんはもういないんだなぁ。
 う~ん、残念。


  翌日の夕方、ハノイに戻った。そして土曜日はオフ。
  ここで資料のまとめをするのが通例だが、まぁ固いこと言うなや!
  町に繰り出して市場を歩いた。噎せ返るような空気と埃っぽい空間に、
  女達の逞しさと男達の狼狽が交錯し、所狭しと物が売られている。
  手にとって確かめる隙はない。これもまたベトナム。その猥雑さが何とも面白かった。

         
  
 市場上の踊り場から建屋の全容を見る   入口付近は比較的落ち着いているが…   表は人の波ナミなみ~♪

 市場を後にして、Café Mayに行く。
 お気に入りのベトナムコーヒーを嗜み、豆と器具を購入。
 家でこの味を復元出来るかな?ひゃ~!でもやっぱりウマい!
 だから余計に煙草もンマイ!この日は、再び足のマッサージでリフレッシュ。
 それにしても安いなぁ。$10でのリッチ気分。早めにホテルに戻って、翌日に備える。
 日曜日はいよいよ楽しみにしていた世界遺産のハロン湾だ。


  日曜日。少々早起きして車に乗り込み、ハロン湾へ向かう。ハノイから片道3時間半。
  途中小さな町のカフェで一服。当然ベトナムアイスコーヒーだ♪
  のんびり行ったので、昼過ぎに到着。おお!これが世界遺産の海。ハロン湾なんだ。

   
  こんな木造船が続々出航する桟橋  4人で貸し切りの船は古くて小さくて、でものんびり♪  まるで墨絵の世界へ迷い込んだようだ

   
 徐々に水上生活者達のエリアへ  水上村には小学校も銀行も郵便局もある 観光客用に生簀に様々な魚介類が飼われている

 海自体はそんなに綺麗な訳ではなかったが、海なのに、こんなに広いのに、
 何でこんなに穏やかなんだ?水上生活者の村が形成されるのも、
 こんなにも穏やかな海だからなんだなぁ。湖より穏やかかも。
 船が進むと水面には鰯の群れが跳ねている。
 ルアーのタックルを持ってくればよかったと、少々後悔(笑)。

  追い越していく船には欧米人も多い。手を振っている。こちらも手を振り返す。
  いいもんだな。しかし天然地形でこんな湾が形成される?う~ん、さすが世界遺産。
  水上村に上陸して、生簀を覗き込む。う~ん、あんまり食欲は湧かないかな(笑)。
  鍾乳洞のある島にも上陸。ここまで来たら探検だ!
  でも中は中国人の団体さんで渋滞していた(笑)。

          
   中は幻想的にライトアップされている  中は涼しいのに湿度が高い   外からの明かりが漏れる個所は神秘的

 鍾乳洞も見たし、水上村にも上陸したし、花曇りだった天気も徐々に晴れてきたし、
 ゆっくりのんびり、4時間余りのクルージング。船長のアンちゃんともすっかり仲良しだ。
 ビールを振る舞われ、皆ご機嫌だ。笑顔のおばちゃんにもチップをはずもうネ!
 でも本当に風が心地よい。最も印象的だったのはハロンの海風だったかもしれない。

   
   風が最高に気持ちいい♪         水上村にも上陸     船上ではビールで乾杯!とにかくのんびり♪

 港に帰る頃には、夕暮れが始まっていた。
 写真には取り損ねたが、ハロン湾の夕陽は悠久の時の繰返しを思わせ、
 しばし黙って眺めていた。その後ホテルにチェックイン。
 綺麗でお洒落で食事も美味しい。この夜は、遊んだ分を取り返すべく部屋で・・・
 仕事をした(泣)。でも妙に捗った。人間、根を詰めるだけじゃ駄目だということだ。
 来れてよかった、ハロン湾。やはり印象的だった!


  およそ2週間弱を過ごしたベトナム。長かったような、あっという間だったような。
  帰りの飛行機は、申し訳ないがマイルでアップグレードしたビジネスクラス♪
  でも僅か4時間半のフライト。うとうとしてる間に着いてしまうな。
  ラウンジで煙草を吹かしていると、故本田美奈子さんの歌声が聞こえた気がした。
  Miss Saigon、彼女がキム役だった舞台をリアルタイムで観てみたかったなぁ。
  でも今後機会があるものなら、誰がキム役だったとしても
  先入観なく、是非観劇したいものだ。

 さらばベトナム。空気の悪いハノイとサイゴンなのに、妙に愛着が湧きました。
 この国の経済発展に貢献する為、田野はまた必ず戻って来るよ。
 朝食にフォーを食べ、カフェで大好きなベトナムコーヒーを飲んで
 煙草を燻らせるのを楽しみにネ(^-^)v


  おしまい