田野と京都の話しー2       2000年3月3日ひな祭り

 「古都」から春

♪京都の春は桜どす  祇園 清水 嵐山

桜吹雪きが舞い落ちる 貴方の肩に舞い落ちる

うららの道に 花添えて…♪

 もうすぐ桜が開花ですか?京都の春はやはり桜が象徴的かなぁ!
 田野が好きな桜は、嵐山、出町柳の川堤、清水、仁和寺、天竜寺、大覚寺、
 平安神宮も捨て難いかな…。でも本当に知っているのは実は一握りです。
 時期が微妙にずれてしまって、桜の頃に全てを見て回れた訳ではありません。
 でもそれは映画の場面や紀行番組よりリアルに、想像するに充分な風景でした。

 京都の桜は染井吉野だけじゃないところがいいよね!盆地だから底冷えする寒さの中で、
 今頃から梅や桃に始まって、桜も色々な種類があるみたい。
 枝垂れ桜や八重なんかがさりげにつなぐから、一気に散る寂しさが
 和らぐように配慮されている趣の機微が、平安人のセンスだと思うよ。
 4月の終わり頃まで桜系が何かしら咲いていたように記憶しています。なんか
いいですよね?

 嵐山の桜の風景って、かえって遠くから眺めるのが好きだな。
 渡月橋近辺は大変な賑わいだけど、その1で出て来た「窓」って喫茶店
 (今はもうないぞ、多分)から眺めると、竹とかで覆われた山肌に、
 この季節だけ思いっきり桜の存在感が突出する風景が好きです。判ります?
 人の集まる所の見事なまでに咲き誇る桜もホント好きだけど、
 行きずりの中で心惹かれた桜が、自分の中の京都の春かもしれません。
 実際は2月から3月にかけて行ってる事が多かったから、
 桜の直前に帰郷しちゃってた事が多かったんだけどね!

 田野の京都の旅の典型を、曲で辿るとこんな感じです・・・
 2月中頃、夜通し東名を飛ばして(♪高速旅行)、
 明け方に嵯峨野の広沢池畔に車を止めて仮眠。
 底冷えの澄んだ空気の中で、素晴らしく綺麗な
 朝焼けの始まりで目を覚まし、車を降りると、
 吐く息の白さに冬の只中を痛感する・・・そんなプロローグ。
 特に何をするでもなく、喫茶店ばかりを梯子(♪京都)して幾日かを過ごし、
 3月を迎えてたまたま神戸あたりに出ると、陽光が柔らかく、
 フリージアなんかが咲いていたりする(♪今はもう春)。
 京都はまだまだ寒い冬なのに港町はポカポカで、
 すっかり春を感じさせている(♪港を渡る春の風)。
 再び京都に戻ると、まだ時雨に雪が混ざっている。

 旅も終わりに近づく頃、
 ようやく春の気配が京都の町のあちこちに漂い始め、桜が蕾をつける頃に、
 その満開の風景を想像しつつも、開花を見ずに京都を後にする。
 これが一番多いパターンだったかなぁ…。
 あ、イノダのコーヒーは欠かしませんでした・・・絶対!

                     つづく

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