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つれづれ日記
田野の日本紀行ー21

知覧・指宿・開聞 編

 
 仕事では何度か訪れた南九州は薩摩の国“鹿児島”!
 若い頃、初めて鹿児島に行った時は、市内や川内、鹿屋等を観光する機会があり、
 天文館や桜島や錦江湾にも馴染みはありました。
 初めてプライベートで行ってみる気になったきっかけは、とある2時間ドラマでした。
 「二十六夜参り」というそのドラマは、現代と戦争をつなぐ切ない物語でしたが、
 未来につながる終わり方でしたから、とても救いを感じました。
 その後間もなく、高倉健さんの映画「ホタル」も公開され、
 知覧という町や開聞岳をいつか尋ねてみたいと思うようになっていました。
 2006年の3月下旬。まだ寒い東京を離れ、南九州の旅へTake Off!

 鹿児島空港に午前中に到着。早々に黒豚カツ膳でランチ♪期待通りの美味♪
 まったりコーヒータイム後、ちんたらバス乗り場に。宿は指宿温泉に決めている。
 直行なのが楽で嬉しい。桜島を仰ぎながら一時間半で、砂蒸しブロで有名な指宿だ。
 宿の真ん前にバスが横付けだ。チェックイン時間前だったが、部屋に通してくれた。
 さすが南国。ポッカポカだ。花も綺麗。海は最高!早々初体験の砂蒸し温泉へ・・・

 おお!これが噂の!おばチャン二人に挟まれて・・・く〜!たまりまへん!
 約15〜20分?砂が中々重くて動けない(汗)。けど目の粗い砂が体中のツボを刺激。
 海の風が渡ると気持ちいい。砂を落とし、湯殿で汗を流す。う〜ん贅沢だぁ♪
 これ、結構癖になるかも♪写真は・・・?あまりに情けないので割愛(笑)

 湯上がりにビールを引っ掛けてもまだまだ明るい時間帯。近辺を散歩する。
 季節によっては潮が引いた時だけ海の中から浮き上がる白砂の道を辿って、
 歩いて渡れるという知林ヶ島の、その海の道が出来るという突端まで歩く。
 とにかく海が綺麗で気持ちいい。錦江湾の南に浮かぶ美しい島だ。
 丁度夕焼けが始まる。初日はお天気にも恵まれた上々の滑りだしでした。
  

 二日目は雨。春のシトシト雨の中、宿の送迎で指宿駅へ。ここでレンタカーを借りる。
 送迎バスの運転手さんも、レンタカー屋さんも、本当に親切で人柄がよく、
 傘を貸してくれたり、観光アドバイスも丁寧です。新車だ。もちろんナビ付き♪
 約一時間のドライブで、昔特攻隊の最前線基地があった町“知覧”へ。
 花冷えの雨に、丁度満開の時期を迎えていた桜が見事だった。

 その桜並木の花のトンネルを通り、知覧の特攻平和会館へ。
 ドラマや映画にも出て来たので、ある程度想定はしていたが、
 その特有の空気感に暫し圧倒される。海中から引き上げられた神風の機体。
 一人一人の出撃前の表情を捕えた写真群。そして彼等の遺書、遺品の数々。
 特攻隊員の日常の暮らしを支えた知覧の温かい人々と子供達の様子。
 こみ上げるモノがある。日本人として、この歴史も受け止めていたいと思う。
 立ち去る時、桜の花吹雪が雨に濡れて哀しいくらい綺麗だったのが印象的だ。
  

 戦時中、特攻隊員とその家族達の懇情の別れの場を提供し、
 親身に隊員達の世話をし、慕われたトメ婆さんが営んでいたという冨屋食堂へ。
 映画“ホタル”の中で忠実に再現された建て屋は記念館になっており、
 その隣にトメ婆さんの意志を忠実に受け継いでいる冨屋旅館があった。
 しんと静まり返っていたが、中を覗くと程なく人が出て来る。昼食を取る事にした。
 通された広間は昔隊員達の集い場で、トメさんの強い希望で当時のまま再現され、
 柱や天井や床の間や、至る所に黒光りする当時の材料をそのまま再利用している。
 隊員達の落書きが所々に生々しく残っているが、嫌ではない。むしろ神聖だった。
  

 メニューは二つ。普通に空腹を満たす松華堂弁当と、当時のままのお冨さん弁当。
 躊躇いなくお冨さん弁当をセレクト。物資のない時代にトメ婆さんが工夫を凝らし、
 出撃する隊員達に持たせたというその中身は、涙が出るくらいに美しかった。
 めざし、里芋、薩摩芋、お煮しめ、筍、梅干、多久庵、黒米と麦飯の握り、味噌汁。
 美味しかった。腹八分目の量。食後暫くはその空気感に浸り、
 遠い昔の隊員達の会話に耳を傾けているかのような時を過ごした。雨はやまない。
  

 車は開聞岳へ。特攻隊員が出撃時に必ず目印とし、別れを告げたという美しい山。
 見事に山が丸ごと海にせり出したようなこの山は薩摩富士とも呼ばれるそうな。
 雨も上がり、雲の切れ間にその姿が覗く。麓の香料園のレストランでハーブティー&ケーキ。
 毎年二十六夜参りで英霊達を鎮魂するというこの地は、海も景色も本当に美しい。
 知覧を飛び立った隊員達は、開聞の裾野を通って遥かなる海に飛び出し、その時
 手向けに貰った花を生命あるものとして、開聞の裾野に生きてくれと投げ返した・・・
 その花が開聞の裾野に根付いて命の連鎖を紡ぎ、花畑になったという特攻花伝説。
 その逸話の故郷で、新緑の森に囲まれて、優しい時間が過ぎていった。
  

 近くに日本最南端のJRの駅「西大山駅」がある。
 ホームの端に、日本最南端を記す碑があり、ここから見る開聞岳は素晴らしい。
 パラパラと来る同じような観光客の順番を並び、思わず写真を撮っていると、
 丁度電車が入って来た。順番的にジャスト独占!ラッキ♪いい写真だった。
  

 翌日は快晴!空港行きのバスが出る午後2時過ぎまで、ゆっくり過ごす計画♪
 やったぁ〜!綺麗な海〜!しかも誰もいない〜!関東じゃ有り得ねぇ〜!!!
 久し振りの投げ釣りだぁ〜!思いっきり投げる!飛ばす!気持ちいい〜!!!
 この時間が大好き。うざったい事は全て忘れられるのだ。細胞が息を吹き返す。
 キスやメゴチ。天ぷらネタの美味な魚達だが、今日は帰る日だから全てリリース。
 キスは久し振りだなぁ。やっぱ綺麗な魚!こんな海を貸切状態なのが嬉しい。

 薩摩揚げも芋焼酎も買い込み、直通バスへ。鹿児島まで来た甲斐があったなぁ♪
 今回の鹿児島旅行は、必死に働いた結果貯まった航空マイルのお陰です。
 こんなに考えさせられる、思い出深い旅になるとは思ってもみませんでした。
 廻り切れなかった分、また来たいと思った南九州。それを叶えるには、
 また頑張って仕事しろって事かな?大人の遠足は押し並べて自分次第。
 また東京に戻って頑張りますかぁ〜!!!

                                     おしまい

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