2001年2月17日

田野と四万十川の話−その1        その2へ行く


 四万十川は忘れられない。今も心の故郷だなぁ。笹山久三さんの自伝的小説
 「四万十川〜あつよしの夏」がTVドラマ化されていたのを偶然見て、潜在的に
 自分の中にあった故郷の風景に共鳴したのが始まり。
 昔ならどうって事のない川の風景。当り前だった田園の暮らし。
 泳いだり、魚を採って食べたり、明るくなれば起き、暗くなれば寝る生活。
 東京で生まれ育った人ってのは、本質的には実に純朴な田舎者なんですよ。
 憬れます。そんな故郷が欲しいと…。

 記憶の中の故郷は、同じ場所に住んでいるのに見る影も無く、激変してしまい、
 それを受け入れるしかないのが、ある意味で東京人の文化を言い得ています。
 そんな自分の感性には、四万十川はとても大きなインパクトで入って来ました。

 ドラマに感銘した直後、たまたま身近な所に四万十川流域のご出身の方が
 何人かいらして、ひょんな話しで、そのご実家のある土佐大正町に旅した時の、
 あの夏の事は生涯忘れられないなぁ!
 太古の昔から当り前だった川の風景がそこにはあった。感動したなぁー!
 あ、誰もが行って面白い所ではありません!不便で遠くて・・・
 何もないから好きなんですから…。

 そんな四万十川も、その頃とも随分変わってしまいました。
 自分もまた、無責任な観光者の一人にすぎないんだと気付きます。
 地元の方々の暮らしと、川を守れと思う自分とのギャップとか…。
 でもそこから川への愛情の強さに、自信を深めた「四万十川」を
 作詞作曲し、音楽を通して中村市の有力者の方々ともお知り合いになれました。

 FM高知に出演した時、生トークで「暮らしが便利になっても、
 宝の川を失えば、そこに思うような豊かさはないんだ」
 そんなな話しをしながら、裏腹に今も答えを出せないままの自分もいます。

 でも、ここではそんな堅い話しは極力控えます。
 自分が川に何を見て、何を思ったか…みたいなメンタル部分を中心に、
 ここでは皆さんに少年少女時代の夏休みに帰ってもらい、
 子供の田野と一緒に遊んでいる気分で読んで欲しい…
 ってな感じで、つらつらと綴ってみたいと思ってます。
 わぁ、自分で楽しみぃ〜!


    

2へつづく

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